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カウンセラーでもコンサルタントでもなく


今月はひたすらmonk managerをやっているので、その話題が続きます。

▼ monk managerにかかる過去の記事はこちら


一人当たり1時間、合計40人のスタッフの人たちと「お坊さんとの対話」を重ねてきた。全国組織の会社なので、対話した方々の職場環境も立場も様々だ。都心の本社オフィスで働く方もいれば、自然に囲まれた地方にある工場勤務の方、立場も社長や執行役員から、パートスタッフの方までと幅広い。どの部署にも男性と女性がいるけれど、職階が上がるにつれ男性の割合が高まるところは、比較的老舗な日本企業の典型といえる。

「対話の内容は一切会社と共有しないので、安心して思うがままにどんなことでも話してください」という前提でやっているので、かなり本音のところからの話が聞こえてくる。もちろん、全員が全員、心をフルオープンにしてくれるわけではないけれど、それでもふだん会社の枠組みの中に収まっているときには出さない、出せない声を出してくれていることは、声を聞けばわかる。全社員のおよそ1割と一通りそんな対話を重ねれば、その組織の全体像がおのずと浮かび上がってくる。

この取り組みについて、友人のお医者さんと話をした。その方はある会社の産業医としても仕事をされていて、monk managerの存在を「産業僧」と称した。産業医は、会社によって求められる内容にずいぶん幅があるようだけれど、基本的には特定の会社についてその会社の社員に対して健康の相談や医療的な診断を行い、必要な措置を促す。「産業僧」は会社の社員の人生に起こる仕事やプライベートの様々な苦に対応する役割として、すごく大きな可能性があるんじゃないかということだった。

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このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじ…

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