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2023 ヤング・グローバル・リーダーズ フォーラム Alumni Community <番外編>

以前、ドバイに暮らすパキスタン人の女性から連絡をもらい、人生相談にのったことがある。せっかくの機会なので、連絡を取りお会いした。彼女の話からは、UAEの現実が垣間見られた。

ドバイという国はご存知の通り、ここ20年で世界中の投資を集めてすさまじい勢いで発展した都市である。そうした都市が成り立つに背景には、そこに世界のマネーが集まってくる仕組みや構造がある。裏話といえばそうなるのかもしれないが、そういう構造で成り立ち動く世界があるという、現実でもある。

アラブ首長国連邦(UAE)をつくる7つの首長国のうち、国土面積の80%以上を占めるアブダビ首長国は多くの石油基地を抱え、オイルマネーが集まる土地だ。他の首長国は、物理的にも経済的にも小さな存在であったが、中でもドバイ首長国は世界の投資を集めることで、目覚ましい発展を見事に遂げた。

UAEは決して民主主義国家とは言えず、首長らの強力なリーダーシップは、独裁に近い。自由主義国家ではゆるされるような言論の自由はなく、ジャーナリズムも制限があるなかで、数々の人権問題も内在している。その実態はなかなか見えにくい。

民主主義・自由主義国家のあり方がうまく機能しているかというと、その限界もあるなかで、UAEのような国がこれからどのようなプレゼンスを発揮していくのか、そして、抱える課題はどのようにケアされていくのか(しないのか)、果たしてよりよい方へ向かうのか。

これからも、よくよくみていきたいと思う。

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