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プラネタリーヘルス

縁あって、医師の桐村里紗さんとお話する機会を得た。

以前からその存在が気になっており、ご著書『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』
を注文したところでの、ご縁。


この本の「おわりに」にも登場する東大のマッドサイエンティスト光吉俊二先生からのつながりであるのも、因縁を感じる。素晴らしい本なので、誰にでもお勧めしたい。健康について学ぶ本としても、地球環境について学ぶ本としても優れているし、その両者を「土」という要素で結びつけているのがまた、素晴らしいアイデアだ。

一人一人の健康は、つまるところ、地球の健康(プラネタリーヘルス)と両立させなければ成り立たない、という考え方は、これからの健康を考える上で基礎となっていくだろう。その上で「土」が大切なのだ。

そういえば、京都でご近所の森田真生さんも「土」に着目していて、森田さんから腐葉土を分けてもらったりした。

思えば「土」は、自分の中でも、実は最重要テーマだったのかもしれないと、気付かされる。

なぜ、こんなにもヒューマン・コンポスティングに惹かれるのか。「自分はいつか土に還る」という意識を持つことに、なんともいえない安心感を催される理由の中心は、「土」だったのだ。

また、ウェルビーイングという言葉を「安養」という語で翻訳しようと試みたのも、鈴木大拙が『日本的霊性』で指摘した大地性、土との距離感が関わっている。

そして、気付いたのは「浄土」も、土の話だということだ。
親鸞聖人の文章にも、たくさん「土」が出てくる。

土、か。

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