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方丈記2020(November)・満月

「方丈記」は松本紹圭が近況をお知らせするポストとして、毎月、満月の頃と新月の頃に更新します。

165 気候変動について科学者の言葉を聴く

10/31に、環境活動家の大岩根尚さんをゲストにお迎えしたトークLiveを開催しました。ポッドキャスト「Temple Morning Radio」にて11/7より配信していますので、音声をぜひ聴いてみてください。

環境活動家である大岩根尚さんは、もともとバックグラウンドが研究者。地質学、海洋地質学を本格的に学ばれ、南極調査にも参加された大岩根さんから、気候変動について科学者の視点から直接お話をいただけたのが、とても大きかったです。

世の中には気候変動に関する様々な言説が流布していて、僕のような科学的知識のない一般人には、何を信じたら良いのかわからない面があります。インターネット上だけでなく、書籍などでも、「気候変動の問題など存在しない」「人間の活動が気候に及ぼす影響はほとんどない」「環境ビジネスで儲けたい勢力のプロパガンダだ」みたいなことが、平気で書いてあったりするわけで。たまたま自分は国際会議なども含めて様々な場所で様々な人と接する機会が機会が多いので、比較的落ち着いて判断できるけれど、付き合う人や接する情報が限られれば、判断を誤る可能性だって十分にある。

その点、科学者の立場からフェイクニュースが溢れる世界で気候変動問題をどう見ているのか、ぜひ聞いてみたかったのです。大岩根さんは「気候変動の存在を否定する言説が世にあるのは確かだけれど、ちゃんとアカデミックな論文として評価されているものはないのではないか」とお話しくださいました。確かに、大体はネット記事か、本がソースである気がします。かつては「本」というのはある種の権威だったように思うけれど、今どきはずいぶんハードルが下がってしまって(だから自分なんかも本を出せてるという話もある)いるのかもしれません。メディアを鵜呑みにするのではなく、自分で調べるリテラシーが必要です。

そんな大岩根さんが、科学者の立場ではなく、今は起業家であり活動家として環境のために活躍しています。「もはや手遅れ」とも言われる気候変動へのアクションを続けられる大岩根さんの心意気に、ぜひ触れてみてください。そして、これから始まる「ドローダウン」プロジェクトにも注目を!

2020年11月の予定

【講演】築地本願寺銀座サロン「KOKOROアカデミー」に登壇します!今月17日(火)です!詳細は築地本願寺HPをご覧ください。

【ポッドキャスト】

● ウェルビーイングってなんだろう?(藤代健介×松本紹圭)

● Temple Morning Radio

Week27 (10/26〜10/30)トークゲスト:飯島俊哲さん

2020年10月増刊号(10/10) トークゲスト:皆川公美子さん

Week28(11/2〜11/6)トークゲスト:小池陽人さん

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このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじ…

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