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松本紹圭の方丈庵

このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじり仲間と対話と巡礼の旅に出ませんか? … もっと読む
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2020年12月の記事一覧

「幸せに生きる」より「苦しまず生きる」こと

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戒は、習慣。「守る」より「戻る」こと。

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ネストから覗くPost-religionな未来

ネスト、というスタートアップに参画している。 参加よりも、参画という言葉が相応しいと思う。 ・ネストは空間を超えて暮らしのリズムで人と人がつながるプラットフォームです ・物理的な距離は離れていても、心理的な距離は近い共同体「ディスタントネイバーフット(遠くのご近所)」と一緒に、暮らしのリズムを整えましょう ネストは、友人の藤代健介くんが始めた、スタートアップ企業。僕は、そのプラットフォーム上でリズムを展開する一人のホストだ。また、さかのぼればこの法人が立ち上がる以前からの

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」 宮沢賢治のことばだ。最近、このことばをまったく違う場面で何度か耳にした。何かこのことばが僕に訴えかけているのだろうか。もちろん、宮沢賢治によってずいぶん前に世に放たれたことばだから、僕も以前からこのことばは知っていたし、これまでだって世界のあちこちに散りばめられていたはずだ。 そんな古いことばが今、急に聴こえるようになってきたのを偶然と片付けてしまうのは簡単だけど、もっと違う世界の見方があるんじゃないかと、それ

Post-religion対話 with 服部天神

加藤大志さん(服部天神)x 松本紹圭(方丈庵) ※記事中、敬称略

至高の道

今期も武蔵野大学で一コマ持たせてもらった、現代仏教特殊研究、講義終了。大学院の通信講座のスクーリング科目なので、受講生の数はそんなに多くなく、10人以下。通信講座だからか、「大学院」のイメージからすると年齢層はかなり高めで、50代後半の方が中心だ。今年は特にオンラインだし、一方的な講義をしてもお互いに面白くないだろうから、短い時間でゼミっぽくやった。 最終日は「現代宗教の代替物を考える」というテーマを設定。取り上げたのは、Peloton、バーニングマン、Nestoの3つ。

一緒にひっくり返ること

僕が提唱している「日本のお寺は二階建て」論。知りたい人は、とてもわかりやすくまとめてくれた神崎さんのページがあるのでリンクからどうぞ。 この議論をアップデートするアイデアをくれた良書『The Good Ancestor』という英語の本がある。今年の秋に著者のRomanと知り合って以来、色々と紆余曲折を経て、ついに僕を翻訳者として日本語版を出版したいという出版社が降臨! 今まで翻訳の仕事はやったことがないけれど、「これぞ」という本があったら、いつかやってみたいと思っていた。

アセファル(無頭人)

本当かどうか、かつて、良い説教使になる三つの秘訣、みたいな話があったとか。 一声 二節 三男(いちこえ、にふし、さんおとこ) ネットで調べてみたら、確かにそんなような記事も散見され、まんざらフェイクニュースでもなさそう。説教使が「男」であることを前提としているあたり、まぁ時代を感じるけど、この言葉を教えてくれたお坊さんが言っていたのは、「面白いのが、説教使の話をしているのに、3つのうちどこにも”中身”の話がないんですよ」ということ。確かに。法話というのは実は中身ではない、

音をめぐる雑談

みんなで暮らしのリズムを整える「nesto」が本日リリース。 藤代健介さんを中心とするこの試みには、僕も「掃除巡礼リズム」のリードとして、ポッドキャストの対話相手として、コンセプトづくりの一員として、協力している。 「掃除巡礼リズム」について、インタビューをしてもらったnote記事はこちら。 nestoではDiscordというグループウェアを使うのだけど、基本的には映像なしで「声」のつなぎっぱなしで使うのが面白い。「空間非同期、時間同期」を実現するチャンネルとして、聴覚