投資信託の研究

投資信託といえば、emaxisシリーズが低い手数料で人気ですが、
改めて、様々な投資信託の目論見書を読んで、研究してみたいと思います。
※自主的な研究のため、理解が間違っている部分があるかもしれません。ご指摘賜れば幸いです。

題材1.emaxis slim 全世界株式

・MSCI オールカントリーワールドインデックスへ連動する投資成績を目指した運用を行う。
・投資先は、先進国・新興国の株式(先物含む)・預託証書。実際の運用はインデックスマザーファンドを経由する。マザーファンドはMSCIインデックス連動目標。(交付目論見書ではここまでしか記載無し。)
※(請求目論見書記載内容→)投資対象である「インデックスマザーファンド」は、インデックスマザーファンド受益証券のこと。ただし、直接株式に投資することもある。マザーファンドは、MSCIインデックスに採用されている株式に投資。
・為替ヘッジ無し。(為替リスク有り。)
→ ▲ つまりは、投資信託といえども、株式で運用をしており、いわゆる株式の「思惑」性 = 個別企業の業績とは異なる力学、で価格が決まり(株価のインデックスなので)、株式発行元の資産や業績等の裏打ちが無い場合があり、ちょっとした刺激による基準価額下落リスクは決して小さくない。
(企業の業績をベースとする『配当』とは異なる。)
◎購入・売却時の費用はゼロ。
◎保有中の費用「信託報酬」は年率最大0.1144%
◆マザーファンドは株式に直接投資しているから、その配当を受け取るはずだが、その配当はどうなっているのか?(仮説 = マザーファンドの純資産に組み込まれ、マザーファンドのポートフォリオに沿って再投資される?)
→ 請求目論見書(PDF総ページ数207ページ!)によれば、emaxis slim投信自体が年1回の決算の際に、「経費等控除後の配当等収益および売買益(評価益含む)の全額」を分配する、とある。
一方、交付運用報告書によれば、2021年4月の第3期末においては、年間で基準価格が+50%超(ベンチマークとの誤差は0.1ポイント)であるが、分配金は0円。(なぜ0円?◆)
※なお、+50%超を達成できたのは、2020年4月がコロナショック直後でインデックス自体も暴落していたところから市況が急回復したことによる。(コロナ暴落直前の基準価額と比較すると、+20%程度)
・分配金は第3期0円(1期も2期も0円)。翌期繰越分配対象額は、1万口あたり4,681円と結構高額のような…。というか、単純に基準価額が14,681円。しかし、株式のインデックス型の投信であることを考えると、株価の上下が基準価額に反映されると想定され、4,681円は、株価上昇(評価益)と配当(実現益)の合計であり、この4,681円自体が株式の価格変動リスク(= もろい)をはらんでいると想像する。
・ベンチマークのインデックスが単純に配当を含まない株価のインデックスであるとすると、配当込みで投信がインデックスに追いつけばよいという意味であるから、配当抜き部分の投信の株式成績はインデックスより悪い(悪くてもいい)ということになる。(ただ、MSCI全世界のインデックスは配当込みとのこと。)
・もっと頑張ればいいとも言えるが、信託報酬をできるだけ下げるためには手間をかけないことも重要であるし、上昇幅がインデックスに比べて小さいということは、下落幅もインデックスに比べて小さいと想定され、そこに配当の純プラスが寄与すれば、下落に対するリスクヘッジが二重に効いているということになる(はず)。
・マザーファンドの貸借対照表には「未収配当金」の欄があるが、それ以外の項目についてほとんどの資産は「株式」の状態であり、投資に伴って得られる株式配当は株式に再投資されていると思われる。


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