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祝・新作発表記念 ー首都高バトルの思い出を振り返ってみるー Part.14「首都高バトルとオマージュ その2」

前回の記事では、公開後にフォロワー様である「りぃたそ」様より複数の情報をご提供を頂いたのだが、今回は新たに頂いた情報も含めて、改めて首都高バトルに登場するライバルについて考察していきたい。

では早速、ご提供いただいた「オマージュに関する情報」から紹介していきたい。

①D3「ザ・ナイト」from 首都高バトル01

まずは、下記のりぃたそ様よりご提供いただいたポストをご覧いただきたい。

「衝撃のホワイトドッグ」の活動エリアである名古屋では、「D3」という3名の強敵(ボス)が待ち構えている。そのうちの1人である「ザ・ナイト」が、出身地や本名も含め…まさかの文豪「江戸川乱歩」のオマージュではないかと…非常に興味深いご考察を頂いたのだ。

実を言うと、文章を書くのは割と好きな質にも関わらず、文豪や文学に関する知識が乏しいので、そもそも江戸川乱歩の本名が「平井太郎」という事実も存じ上げず、大変恥ずかしい限りなのだが…(笑)自身の無知の話はどうでもよくて、

驚いたのは「江戸川乱歩」という作家名への、直接的あるいは示唆的な引用ではなく、あえて「本名」の一部を漢字を織り交ぜてくる粋な演出…要するに、本当の意味で乱歩の背景知識が伴わなければ素通りしてしまうような、「隠し要素」を、「探偵」という職業で暗に示唆しながら、華麗に織り交ぜてくる絶妙さ…本当に、首都高バトルに感じられる作家性の奥深さをただただ痛感させられるし、ゲーム作品に込められた創作性の底知れぬ魅力を象徴している。

②Wanderer「12時過ぎのシンデレラ」

※YouTube Premium会員でない場合、下記の動画はご覧いただけない可能性がありますので、ご了承いただければ幸いです。

実を言うと、下記の楽曲は上記の通り名「12時過ぎのシンデレラ」からの引用であると長年勘違いしていたの…2000年代にヒップホップを聴いていた人間であれば、恐らく一度は耳にしているはずであろう童子-T氏の「0時過ぎのシンデレラ」である。


少し脱線してしまうが、上記の「第三の男」は青春時代に何度も鬼リピした思い出深いアルバムである。ダンディズムと寄り添う形の社会時事への描写が実に味わい深い。そして、そのアルバムに収録される上記の楽曲のタイトルを眺めるたびに、RX-7に乗り首都高を颯爽と走り去る「12時過ぎのシンデレラ」をふと思い出していたのである。

しかし、実際の元ネタはこちらの楽曲であったことを、実はDC版「首都高バトル」に関する記事の執筆時に初めて認識したのである…今更ながら(笑)

1973年リリースの楽曲が、まさか2000年代のレースゲーム作品に登場するキャラクターに回収されるだなんて、だれが想像したことであろう…(笑)ちなみに、楽曲自体はしんみりとしたフォークソングだが、初登場のDC版では炎型のペイントで抜群のインパクトを放っており、そのギャップもまた強烈ではある。

③Thunder Dragoon「灰龍」from 首都高バトル0

彼の本名は「周 康徳」である。

この文字の並びでピンときた方も多いだろう…。「浅草ヤング洋品店」や「TVチャンピオン」等への出演でもお馴染みの、中華料理で一世を風靡した「周富徳」氏へのオマージュと思われる。「F1レーサーと懇意にする中国人バーの経営者」という紹介文は、恐らくご本人の経歴とは何ら関係のない完全なるゲーム側の創作なのだろうが、それにしても実に「示唆的な名前」である…(笑)

周氏は弟の富輝氏と共に、90年代のバラエティ番組に数多く出演した人気タレントの側面を持つ料理人であるが、脱税事件への取材の際にメディア関係者への暴行が問題視され、晩年はマスメディアへの露出も、お店自体の売り上げも激減してしまったのだという。最も、当時のマスメディアの取材に対しても批判的な意見が多数寄せられていた点も含め、暴行はアウトとしても…周氏側に完全なる落ち度があったのか否かは結論を避けたいところではあるが、紆余曲折の人生を経て71歳でこの世を去られた事実は、当時を知る身としてはやはり寂しさを覚えてしまう。

そういえば、周富徳氏は若いころ「バイカーギャング(アメリカ的な暴走族)」的なチームに属していた時期があったそうで、その当時について記者に尋ねられた際に(※元記事が見つからないため、実際の内容とは異なる可能性がありますがご了承ください)

「今の子たちはおっかないよ、俺たちの時はそんなことしなかったよ」

といった感じで、若者の非行への傾倒を暗に懸念されているような、あるいは案じているような回答をされていたのが印象的であった。恐らく、一緒に酒を飲めば楽しそうな、シャレたオジサンであったのだろう。故に、71歳は余りに早すぎるし寂しい。改めて、ご冥福をお祈りいたします。

ちなみに、周氏のお弟子さんが営むお店が世田谷にあるとのことなので、ぜひ一度訪れてみようと思う。

④Commander「セナ足ギンジ」from 首都高バトル0

オマージュというより直球の引用ではあるが、ご存知「アイルトン・セナ」がコーナリング時に見せていた、小刻みに出入力を繰り返すような独特のアクセルワークが通り名に刻まれている。実際の「セナ足」については、下記に掲載の映像をご覧いただきたい。

実を言うと、自身もグランツーリスモ7でソレっぽい真似事をやっていたりするのだが…言わずもがな、足下にも及ばないであろう(笑)ちなみに、コメント欄には「革靴でここまで乗りこなすセナは凄い」という意見が寄せられており、確かにご本人の神テクにも驚かされるのだが…何より、非常に楽しそうに運転されているのが、今見ても本当に心地いいのである。

話を戻して…このライバルの唯一の不思議な点としては、そのセナ足の本人がスバル・インプレッサに乗りながら、ホンダNSXに乗る悪党チームのDouble Mindに対抗するという構図であるが、恐らく深い意味はそれほどないのかもしれない。

⑤Speed Master「アイスマン」

元ネタはご存知、映画「トップガン」でトム・クルーズ演じる主人公のライバルのあだ名(演者はヴァル・キルマー)であるが…

実はモータースポーツ界隈でも広く用いられているフレーズで、代表的な例としては…2020年代まで現役を貫いた元F1チャンピオンのキミ・ライコネン、インディカーシリーズで今も活躍する、複数回のシリーズチャンピオンとインディ500の勝者として名高いスコット・ディクソンが挙げられるが、要するに「冷静沈着な優等生」の印象が強い人物に付けられるのだろう。実際は、どちらも人間味のある人物であったりするのだが、それも含めてアイスマンという愛称はしっくり来るのかもしれない。

ちなみに、首都高バトルの「アイスマン」はメチャクチャ速かった印象しかなく、ある意味では「横羽線のボス」と言っても過言ではないのだろう。

ということで、今回はライバル考察にしては脱線しすぎてしまったのですが…ご容赦頂ければ幸いです(笑)


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