障害者と健常者のあいだ〜片目失明の方の問題から考える

ニュースで
片目失明の方が自民党の議員に
「障害者として認めてほしい」
という要請を行ったという
話題が載っていました。

何が問題かと言うと、
片目失明の方というのは
片目が全く見えない方でも
もう一方の眼の視力が0.6以上だったら
障害者とは認定されず、
障害者手帳を取得できないのです。

日常生活などで
非常に困っているのに
不公平だということですね。

ニュース記事には
例えば小さい子供だと、
成長に伴って
義眼を変えなければならないが、
障害者として認定されていないので
その費用の助成がない。

大人でも同様で、
高額な義眼の費用の助成がなく、
様々な公的支援も
受けることができない
と記載があります。

そして、
障害者として認定されず、
障害者手帳も取得できないので、
「障害者雇用」の枠で
働くことは
ほぼ不可能なのです。

もちろん、
地域によっては
障害者総合支援法の対象になり、
障害者手帳がなくても
就労支援や生活援助等の
サービスが受けられる可能性はあります。

ですが、
それが認められるのは
レアケースでしょう。

片目失明の方に限らず、
発達障害のグレーゾーンの方、
難病の方等で
制度の間に落ちている方は多いのです。

仕事に関しては、
障害者手帳を取得して
障害者雇用で働けば全てが解決する、
というわけではありません。

障害者手帳を持っていなくても、
合理的配慮を提供することは
企業の義務だからです。

でも、
現実はどうか。

障害者雇用枠の方と
例えば片目失明の一般雇用枠の方を
企業が同様に配慮しているでしょうか?

そして
もう少し大枠で考えると、
個人モデル(医療モデル)と
社会モデルの考え方。

確かに、
片目失明の方は
片目の視力が正常だから、
「重度」の
障害ではないのかもしれない。

ただ、
実際には「お困りごと」が
たくさんあるわけです。

日常生活の場面、
仕事の場面、
余暇を楽しむ場面、、、

その個人の障害にフォーカスして
「重い障害」だから
助けましょうというのが
いわゆる「個人モデル(医療モデル)」

それを全否定するわけではないです。

ですが、
その方が実際の生活上や
仕事上、
社会参加の上で困っている事柄に対して
配慮を行う、
「社会モデル」の考え方を
やはりこの片目失明の方の問題だけに関わらず
もっともっと取り入れるべきだと感じます。

そこには
ある意味、
障害者も健常者もありません。

いわゆる健常者と呼ばれる方でも
様々な不得手なことがあります。
そこに手を差し伸べるのは
当然のことです。

障害者と健常者のあいだに
境界線、
ボーダーラインは基本ないのだ、
と私は考えています。

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https://lwaka.jp/lp/shougaiysa-minority-life

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