「私の人生はとてもクソでした」「けどそれは今日や明日を投げ出す理由にはならない」〜引地はるなさん著『ほたるいしマジカルランド』より

※ネタバレを含む内容ですのでご注意ください。

『ほたるいしマジカルランド』という
短編集を読みました。

いや、
まだ全部は読めていないのですが。

その一篇に
清掃員の女性が
主人公の話が出てきます。

ほたるいしマジカルランドというのは
そこまで大きくはない?と
思われる遊園地の名前。

そこで
清掃員として働く
40代〜50代前後と思われる
八重子さんという女性が
主人公の1篇を読みました。

過去に八重子さんは
結婚していて、
詳しくは
書かれてないのですが
おそらく
発達障害と思われる
息子さんがいた。

そして
旦那さんが理解がなく、
お子さんが
学校などで
うまく行かない原因を
八重子さんに押しつける、
そして実家関係のことばかり
良く言うような人
だったわけです。

ここが1番の問題だとは
感じますが、
この章の主題は
そこではありません。

そういう中でも
八重子さんは
頑張ってお子さんを育て、
家事などもしていたわけですが。

だんだんと
お酒に頼るような生活になり、
アル中状態になる。

お子さんの世話や
家事もほとんど
できなくなる。

そして
旦那さんに
離婚を突きつけられてしまい、
お子さんとも離されてしまいます。

その後
今は清掃員として
小さいアパートで暮らしながら
このほたるいしマジカルランドで
パートで働いているんですね。

仕事ぶりは完璧で、
社長からも褒められるぐらい。

でも
人をほぼ寄せつけず、
唯一の楽しみと言えるのが
一月に1回、
定食屋で外食すること。

そして
タイトルにしたのは
その定食屋の店主の
女性の言葉なんですが。

ある時、
ほとんど会話もなかった
その定食屋の店主と
少し距離が近くなる。

そして
「私の人生はクソみたいな人生でした」
「けどそれは今日や明日を投げ出す理由にはならない」と
言われます。

そしてその後には
「目の前のことをやるしかないんやって。
そうすることでしか自信はつかへんらしいよって。。。」
と続きます。

私自身、
幸せなことも
いっぱいありましたし、
楽しいこともいっぱいありました。

一方で
本当にどうしようもない
ポンコツ人生だと
思う部分もあります。

そして自身の責任は
当然ながら
あるけれど、
時には他人を
責めたくなることも
ありました。

もしかしたら
これを読まれている方の中にも
同じような思いを抱いている方も
いるかもしれない。

でも。

原因探しに
躍起になることよりも
もっと大切なことが
あるのではないか?

そんなメッセージを
この本から感じました。

この本の中では
投げ出す=自死という意味では
ないのかもしれません。

あえてそう捉えさせてもらえれば、
私自身
全て終わらせれば楽になるなあと
思った時は何度もありました。

少し話は変わりますが。

自分の命は
自分のものだけじゃないんだ
という言葉を
とある方が言われていました。

そう、
影響を周囲に与えるし、
本来的な意味でも
自分の命は
自分のものだけではないはず。

苦しみ、悩みの中で
自死を選んだ方を
責めるつもりは
全くありません。

でも
生きているだけでもいい。

何もしなくても。
ただ家にいても。
寝ていても。

そして
この八重子さんも
孤独の中でも
やっぱり人に救われます。

そう、
人は人の中でしか
生きられない。

自分単独のものと思っている命も
実は自分だけのものではない。

それが生きる希望に
繋がることもある。

ぜひ、
ご興味のある方は
読んでみてください
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