【ボロ屋危険ファイルNo5】がけっぷちの家
がけっぷちの家は格安!
安いなら欲しくなりますよね!
でも実は超危険!
下手すると人生が終わります。
がけ崩れは土地所有者の責任!!
これがヤバい話って、わかならい大家さんがたくさんいます。
自分の土地ががけ崩れ起こして人が死ぬと所有者もある意味死にます。
事例1 神奈川県逗子市(2020年)
上の写真は2020年に神奈川県逗子市で起こったがけ崩れ。マンションの擁壁がくずれました。がけ下を歩いていた女子高生が亡くなってしまいました。当然女子高生に全く落ち度はありません。
遺族が約1億2千万円の損害賠償請求をし、住民側と1億円で和解。
これがマンションではなく戸建なら1億円は個人が払うことになります。またマンション管理会社の社員も業務上過失致死で書類送検。
事例2 静岡県熱海市(2021年)
大雨で土石流が発生。死者27名以上。桁外れの被害です。
前所有者:刑事告訴(業務上過失致死)
現所有者:刑事告訴(重過失致死)
現所有者・前所有者:民事訴訟(58億円)
被害規模が大きく違法性も高いものでした。そのため訴訟額も桁外れです。死亡事故では1人死亡すると概ね1~2億の賠償額を想定する必要があります。現所有者は、東海地方の地方ゼネコンの元経営者。不動産屋もやっています。個人資産があればある程度支払い能力はありそうですが、ボロ屋大家さんレベルでは即死レベルです。
保険があるから大丈夫じゃないの?
と思ってませんか?
でもそんなに都合のいい保険はないんです。
施設賠償責任保険で払えばいいじゃん!
大雨・地震などの自然災害、老朽化によると判断されると原則保険適用外です!!
利用者のケガ等に対しての支払いは?
地震保険 ✖ (建物に対する保険)
火災保険 △ (老朽化は対象外)
施設賠償責任保険 △ (老朽化、雨漏り、自然災害は対象外)
既存瑕疵担保保険 △ (築古は加入できないことが多い)
わずかな望みは火災保険。でも老朽化とみなされるでしょうね・・・
各種保険は適切に維持管理されていることが前提です。
以下がその条件
最低限の地震に耐えられる強度(新耐震基準以上)を確保
雨漏りがあればしっかり修理する
腐っている部分があったら直す
シロアリは完全除去・修理する
コンクリートブロック塀は法律通りの構造
これが最低限の保険利用条件。築古戸建てオーナーさんは無保険でブンブン運転している人がほとんどです。
トドメの一撃 擁壁も建物本体に地震などの被害がないと地震保険の対象外となることもあります・・・つまり擁壁の復旧も自己負担。人生OUT。
いろいろ見てきた建築士的には、最低限の保険は使えるようにしています。
まとめ
がけ崩れで人が死ぬとあなたもある意味死ぬ。
(【がけ】については行政庁ごとに考えがバラバラなのもやっかいです。)
本日はここまで
次回は?
【ボロ屋危険ファイル 借金だらけの家!】です。抵当物件もギャンブル要素があがります。
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