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「スロウハイツの神様」辻村深月
本の紹介をしたいと思う。
最近、本を読めていない私だが、久々に読了した本。
「スロウハイツの神様」 著:辻村深月
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個性的と言えば響きが良いが、癖の強い夢追い人達が、色んな傷や弱さを持ち寄って共同生活をするお話。
今、夢を追っている人なら、この登場人物の誰かに感情移入できるかもしれない。
私は全員に感情移入しました。
この作品の中で、「赤羽環」という女の子が出てくる。
正直、私はこの子の事があまり好きではなかった。
自信家で、辛口で、全てを分かっているような、そんな女の子。
だけど最後の最後で、私は彼女が好きになる。
『自分自身の能力と時間の許容量を超えて仕事を詰め込む癖は、二十代の頃からさっぱり抜けない。けれどそれを「できない」と口が裂けても言えない意地っ張りな頑なさもまた、十代のままだった』
『人前で泣くのが嫌。滅多に泣かないなんて大嘘で、環はどうしようもない泣き虫だ。嘘泣きだけは絶対にしないけど、いつだって涙をこらえるのに必死なのだ』
この本を読んだことがある人は驚くと思う。
「そこ!?本当に最後の最後じゃん!!」と。
でも、私はこの場面で、彼女に完全に感情移入した。
いや、むしろ、「お前は私だったのか?!」と言いたくなるぐらい自分を言い当てられたような気持ちだった。
振り返ってみると、あまり好きになれない彼女は、自分と似ていたのかもしれない。
もしかして同族嫌悪だった?
そういう気持ちで、もう一度読み返してみようかと思う。
読む本に悩んでいる方、良かったらお手に取ってみて。
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