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対抗形党宣言

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対抗形党宣言(6)奇襲対策

第六章 奇襲対策
6.1理外の民との闘い
 第一章で述べたとおり、対抗形党は棋理にのっとって相手の指し手を予測し、対抗形に誘導することを生業としている。したがって、この予測と誘導が効かない人々と戦うにはこれまで紹介したような誘導の技術よりもよりレベルの高い予測が求められる。

6.2筋違い角
 振り飛車党が嫌う奇襲No.1といえば筋違い角であろう。だがしかし、対抗形党的には大した脅威ではないという

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対抗形党宣言(5)7六歩以外の初手候補

第五章 7六歩以外の初手
5.1初手から考える
ここまでは▲7六歩△3四歩の交換が入って3手目から考えていたが、実際には初手から考え直す余地があるかもしれない。いずれもやや無理しているきらいがあるが、場合によっては有力になりうるであろう

5.2初手▲3八飛:袖飛車
 この指し方はタップダイス氏がブログで解説していた手である。
 http://shogikindle.blog.fc2.com/bl

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対抗形党宣言(4)その他の3手目候補

第四章 その他の三手目候補
4.1▲7六歩△3四歩▲2二角成の変化

 何が何でも対抗形に誘導したいならば、3手目に角を交換してしまうのも有力である。個人的には3手目で手損して先手番を放棄してしまうのは棋理に反していると考えているが、対抗形党はどうせ後手が欲しいと考えれば妥協の余地はあるかもしれない。相手が居飛車で来る場合通常のKKSに合流するので問題ないが、相手がKKSにしてきた場合は2手得させ

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対抗形党宣言(3)先手番三手目問題

第三章 先手番三手目問題について
3.1先手番の考え方
 将棋というゲームはその性質上、先手が先に形を決めることになりやすいゲームであり、それに反してまで待機しようとする対抗形党の思想はある意味で根本的に棋理にあっていない思想であるといえるかもしれない。それゆえ、先手番での誘導は後手番よりも難易度が高い。本章では、▲7六歩△3四歩に対する3手目として優れている指し手は何か。これが先手番3手目問題で

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対抗形党宣言(2)後手番について

第二章 後手番四手目問題について
2.1後手番の考え方
 対抗形党は、相手の形を見てから自分の形を決めるという性質上、後手のほうが誘導しやすい。初手▲2六歩ならば居飛車が確定するので、普通に振り飛車にすればよい。初手▲3二金、▲6二銀などについても同様である。ただしこれらの手を指したあとでも強引に振り飛車にしてくる指し方もある。このような無理やり陽動振り飛車については第6章で検討する予定である。初

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対抗形党宣言(補足)対抗形党になるメリット

 (あくまで僕の主観でものをしゃべっています。これが絶対的に正しいと主張しているわけではありません)

 対抗形党になるメリットは、専ら横の将棋が中心になり、縦の将棋が減るということである。その最大の効果は、寄せやすく寄せられやすい終盤になるということである。これは横から攻め合った時に、互いの囲いが上部を抑えているため、必然的に挟み撃ちの形になるからだ。有り体に言うと、入玉模様が減るのである。
 

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対抗形党宣言(1)対抗形党とは何か

第一章 対抗形党とは何か
 対抗形党とは、相手が振り飛車なら居飛車に、居飛車なら振り飛車にしようとする態度をとることを言う。(この立場が単なる相振りが嫌いな振り飛車党といかに異なるかについては過去にツイートで熱弁したのでここでは触れない。)対抗形党にとっての死活問題は、相手の戦法を見極めてから自分の戦法を決めるというポイントであり、いかにこの後出しジャンケンを成功させるかである。したがって、対抗形

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