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外国時投資家とは誰なのか?分類してみたら分かるのではないか?

ニュースを見ていると、外国人投資家が売に動いたとか海外投資家がといった表現をよく見る。

この外国人投資家、海外投資家という表現を見るとつい日本経済を食い物にしようとしている邪悪な統一意思の存在を想像してしまう。
少し考えればそんなことはないだろうと思うが、そういった想像力を掻き立てる表現であることは確かだと思う。

これが娯楽色の強い雑誌の記事に出てくる表現ならいいが、某経済専門新聞のような媒体であっても使われている。

少し前にあったように「ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの子会社の保険会社」レベルの解像度は必要無いかもしれないが。しかし外国人投資家、海外投資家よりは誤解の余地が少なく価値ある情報を含む表現が存在するのではないかと思う。

この記事では外国人投資家の分類方法を考えていくことで、外国人投資家をより高解像度で捉えられるようにしようと思う。

分類方法としては投資スタイル、変更できない属性などが考えられる。他にも日本に投資を行う意図で分けることもできる。

まず考えられるのは「短期投資家」、「長期投資家」のように所有する期間から投資スタイルで分類する方法である。この分類は記事で使われることもよくある。
その動きをしたのが短期投資家なのか長期投資家なのかという情報は、そこにあるのが市場の非効率から生まれた収益機会なのか長期トレンドなのかといった分析の傍証になり得る。

次に変更ができない属性を見る。代表的なのは国籍である。「アメリカ人投資家」からの投資なのか「イギリス人投資家」、「中国人投資家」なのか。これらの情報を抑えておければ株価などと合わせて為替レートにも注目するかことで市場の動きを観察することができるかも知れない。
また、国籍と投資対象によっては外国為替法などで政府の介入もあり得ると想像できる。

別の属性もある。投資家が「個人投資家)なのか「機関投資家」なのか、機関投資家の中でも「民間の投資ファンド」なのか「年金基金」なのか。これらの違いは主にリスクに対する許容度に現れる。年金基金であれば数十年スパンで利益を出せばよく、しかも扱う資産の大きさから市場への影響も大きいので下落に過剰反応して売り浴びせを行うことは考えにくい。しかし個人投資家であれば個々の小さな損切りの判断が積もって大きな下落に繋がりかねない。

日本に投資を行う意図で分類を行うことも可能だと思う。
具体的には、「地理的なリスク分散」の観点から投資をしているのか、あるいは「特定企業への純粋投資が目的」「特定企業への影響力行使が目的」などが考えられる。

 上記で挙げた属性を組み合わせるだけでも相当の組み合わせになるし、他にも資産規模で分類したり議決権の行使スタイルで分類することもできる。

 これだけ属性が別れて、属性によって考えられることも分かれるのに、「外国人投資家」と括ってしまうのは勿体ないと思う。

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