目標を立てるにも適切な指標を採用しなければ迷走してしまうのではないか。

ビジョナリーカンパニー2を読んでいる。その中で、指標に関する議論が出てきたので少し掘り下げてみようと思う。

ビジョナリーカンパニー2の中では「自社が世界一になれる分野を自覚し、その分野に注力するべし」と言った議論がされており、その手段として独自の指標が挙げられていた。

確かに大きな組織の隅々まで自社の強みを最大化する取り組みを浸透させるためには概念での提示ではなく目指す方向性をわかりやすく示す必要があり、従業員一人当たりの利益の最大化やエリアあたりの利益の最大化など分かり易い指標は会社の方向性を社内に浸透させる役に立つと思う。

ここまでの議論には異論はないが、別に会社を偉大にしようと思っていなくても個人レベルでも国政レベルでも指標の作り方という要素はもう少し重視されても良いのではないかと読んでいて思った。

具体例として国の経済力を挙げる。少なくとも日本においては国の経済力は国力を表す指標としてよく使われている。しかし、国の経済力を表す指標として何を用いるかにはあまり注意を払われていない気がする。

国の経済力としてすぐ思いつくものだけでもGDP、GNP、日経平均株価、東証株価指数、失業率、平均所得、一人当たりのGDP(GNP)

特にGDPを指標に採用するのか一人当たりのGDPを採用するのかでは取るべき政策に大きな開きが出てくる。具体的にはGDPを採用したら人口減少は何にも増して最優先で取り組むべき政策課題になる。しかし一人当たりのGDPを採用すれば人口減少は急激なものでなければ許容可能な問題になると思う。

個人レベルであってもNoteで有意義な記事を書こうと思った時に閲覧者数だけにこだわるならタイトルと最初の数行、タグを工夫すれば良いことになってしまう。スキの数のみを指標に採用したら閲覧者数のみを採用するのに比べたらマシな取り組みにつながりそうだが、誰もが気になるトピックに流れてしまうリスクがある(それが悪いとは思わないが)。結局、閲覧者数とスキの比率を気にするのが最も記事の質を反映することになる。ここまで読んでくれたあなたにとっては当たり前だと思うかもしれないが、指標選択をしっかり考えて行えているケースが周りにどのくらいあるかと聞かれればすぐに答えられる自信はない。

今後も、KGIやKPIを設定する時に目的を正確に反映できる指数は何かを意識していきたいと思う。特に自分以外の誰かと指数を共有するときは。

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