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時に、想像し得ない人物が偉業を成し遂げる

普段映画なんて好きなアイドルやかわいい女の子が出ているものしか見ない僕が映画を見た。

2014年に公開された映画で、別に推しているアイドルが出ている訳でもかわいい女の子がオススメしていた訳でもない。では、何故見たか?

それは、たぶん僕はアラン・チューリングの生まれ変わりだ、そう思ったからだ。

学生時代だがIQは150程度と言われた、ASD(自閉症スペクトラム)の傾向あるとも言われた。どれも医学的根拠がある訳ではないので真偽の程は定かではないし、別にどちらでも良い。
チューリングはIQがいくつなのか分からないが多分150くらいだろう。IQが20違うと会話が成り立たないと言われているが、僕はチューリングの言っていることがよく分かったのでチューリングのIQは130〜170と推定できる。ASDであると診断されてはいないが、よくわからないWEBサイトに出展元を明記せずにそのように書かれていたから間違いないだろう。
同性愛者であることと幼い頃にいじめを受けたことは、僕とは共通しないが、たぶん生まれ変わりだろう。なんかそんな気がする。

チューリングが死没したのは1954年で僕が生まれたのは1995年。
死んでから生まれ変わるまでの期間は平均4年5カ月らしい。これはGoogle Homeに聞いたら教えてくれた。すごいなGoogle、死後のことまで知ってるのか。
なので恐らく僕の前前世くらいがアラン・チューリングだ。

そして4連休で暇だったので、Google PlayでHD画質の吹替版の映画を¥400で購入した。

僕はアラン・チューリングの知り合いでもなければ、アラン・チューリングについて書かれた一次情報を調べたわけでもない。単にこの映画を見ただけだし、吹替版で見たので原作とは違う言い回しになっているかもしれない。

これはただの僕の感想文だ。

アラン・チューリングは何者か?

僕とアラン・チューリングとの最初の出会いは高専4年の頃。高専という日本のスタンフォード的な教育機関がコンピュータの基礎を教えるために、チューリングマシンというものを僕に教えてくれた。

チューリングマシンとはかんたんに説明すると、有限状態制御部と、可算無限子のセル列で構成され各セルには有限種類で空白文字を含むものが記録される半無限長のテープ、そしてそれを読み取るテープヘッドから構成される抽象機械である。超絶かんたんに分かりやすく言うと有限オートマトンでその処理状態を処理するためのモデルだ。ちなみにチューリングマシンにちょっと改良を加えたもののことを現代では「コンピュータ」と呼んでいる

すなわちアラン・チューリングは、コンピュータを作るための計算の基礎of基礎を考えた人である。

その天才が第二次世界大戦中は、イギリス政府に協力してドイツ軍の暗号機「エニグマ」の暗号解読をお手伝いしていた。
この映画ではその当時のことを中心に描かれている。

会話する上での生きづらさ

この映画には、同性愛についてや女性への差別、戦争という人の生死について考えさせられる部分もあるし、いくら歴史に基づいている映画だとは言えエンターテインメントの一種なので、事実とは異なる点があるだろう。
あくまでもこれは映画の感想であり、アラン・チューリングという人物や実在する国や団体についてとやかく言う意図は無い。

最初にこの映画を見て覚えた感動は、共感である。
めちゃめちゃ「分かる〜!あるある〜!」と共感した部分がある。

お昼頃、仕事が一段落したタイミングでアランの同僚が彼に話しかけた
「僕らはこれからランチに行くよ」

多くの人はこれを「君も一緒にランチに行かない?」という意味で捉えるらしい。アランもびっくりの暗号解読能力だ。
僕とアランにとってこれは、単なる行動を報告されただけであり、特に自分に関係もなければ興味もないことを言ってきたものと捉える。

アラン「それは軍事機密です」
警官「機密とは?」

こう聞かれたら機密である理由を答えるのが一般的に多いらしいが、僕とアランはこう答える
「軍事上の秘密情報のことです」
なぜ機密なのかではなく、機密とは何かと聞かれているのだから僕らが正しいはずである。

映画ではアランのこういった言動を異常者扱いしている。
現に僕も社会に出てから何度かこういう体験をしている。

僕「契約書に書いてます」
上司「契約書って?」
僕「守るべき約束や約束を破った時の罰則等について、
双方が合意する旨が書かれている書類です」

これは決してふざけている訳でもおちょくっている訳でも無い。契約書とは何か聞かれたから分かりやすく説明しただけなのだ。

よくよく考えてみると、聞かれたこと以上に相手の意図を推測できる方が異常だと思う。ただし異常だが、その方が優れているとは思う。

なのでこれを読んでいるみなさんの周りにこういう人がいたら是非、「その契約書はどこにあるのか」なのか「契約書のどの部分に書かれているのか」なのか「その契約書はいつ締結されたのか」等、何を知りたいのか明確にした上で質問してください。悪意は無いんです。あなたのほうが優れているのだから優しくしてください。

ちなみにGoogle Homeに「OK,Google きみつって何?」と聞いたら
千葉県南部の君津地域に位置する君津市のことを教えてくれた。
Google Homeも僕らの仲間だ。

天才に必要なのは凡人たちである

天才は自分の考えることが正しいと思っている。たとえ誰に言われようと自分の考えることこそが正しいと思っている。そして大体の場合本当に正しい。

当時イギリス軍はドイツ軍の暗号機エニグマの暗号を人力で解読しようとアランや他の秀才たちを集めた。

「暗号解読の敵はドイツ軍ではない、時間だ」
マシンの暗号を素早く解読するために人力でやっていてはダメだ。マシンにはマシンで対抗せよとアランは言った。

当時はそのアランに誰も協力しなかったが、ジョーンという天才でありながら共感の神でもある人が表れた。天才だったがゆえ、アランはジョーンのことを信頼した。そしてジョーンはアランにアドバイスした

「同僚にリンゴを配れ、そしてジョークを話せ」

いくら天才であっても時間には抗えない。しかし協力者が増えれば時短できる。

これで同僚たちの信頼を勝ち取り、クビになりそうなアランを同僚たちが助けたりして彼は英雄になることが出来た。

ここでいちばん大切なことはジョーンのような共感の神を見つけることと、秀才たちを仲間にすること、そして「自分は正しい」と思い続けることである。

天才は普通じゃない。普通であれば天才ではない。
世の中の「普通」とは単なる多数派のことを言うので、天才であれば普通じゃないのだ。

いちばん大切なことは、普通じゃないのが楽しい。そう思ってくれる凡人。いわゆる共感の神だ。

天才なのでひとりでこなすことも可能なのだが、仲間がいたほうが早い。そして現時点では人生100年時代と言われており、我々は残念ながら100年くらいしか生きられない。僕は多く見積もってもあと75年しか生きられないので、存分に仲間を使って時短していきたいと思う。

それでもやる。他の誰にも出来ないから

エニグマの暗号に解読に成功した後、ある船がドイツ軍に襲われることが分かった。その船にはアランの仲間であるピーターの兄が乗っているらしい。

すぐに海軍本部に連絡して、船を守らなければならない。

そんなことをしてはダメだ。
ドイツ軍にエニグマの暗号を解読したことがバレてしまう。

イギリスが戦争に勝つためには、暗号を解読したことを知られないようにし、ここぞという時だけにそれを使う。
それをしなければ、今までやってきたことが水の泡だ。

目の前の同僚の兄を見殺しにする必要がある。

それでもやる。
だってそれが自分が正しいと思ってることだから。
そして、それは他の誰にも出来ないことだから。

僕は人間には一つバグがあると思う。それは感情という機能だ。
感情という機能のおかけで感動したり共感したりすることができるため、ありがたい機能だが、時にその感情という機能のせいで正しい判断・合理的な決断をすることができない時がある。

だからこそ、人の気持ちが分からない人は、普通じゃない、他の誰にも出来ないことができるのだ。

時に、想像し得ない人物が偉業を成し遂げる

最後に作中に何度か登場したこの言葉に触れておこうと思う。

想像し得る人物だけが活躍するのであれば、彼らはほぼマトリョーシカだ。いわゆる中の上くらいの人が、自分がコントロールできる範囲の中の上くらいの人間を"普通に"マネジメントすれば出来上がる。

手段も何もかもが確立されているものについては、このやり方が正しいし普通だ。(いわゆる大手企業で出世するためには、上から扱いやすい人と思われろと言われているのはこのためだと思う。)

でもやっぱり普通じゃないのが楽しいと、僕は思う。

「それは間違っている。僕のほうが正しい。」
「あなたの意見はワクワクしない。」
「このシステムはクソだ。」

こんなこと面と向かって言われたら誰だってその人のことを嫌いになるだろう。恐らく僕も嫌いになる。

でも自分のやりたいことを、やりたいようにやりたい

そのために、自分を理解することができる協力者を見つけよう。
真似られるのも、信頼を得られれるのも、自分ではなく協力者の方だ。
肝心なのは自分自身ではなく、ムーブメント。

裸踊りをムーブメントにしたこの3分のTEDの動画が、正しいことをアラン・チューリングは第二次世界大戦中に既に証明していた。

さて、これからどんな偉業を成し遂げようかな。

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