他拠点生活への苦悩と憧れ

2020年1月-

武漢が発信源のコロナウィルスは世界的な流行を見せ、近年稀に見る最も影響力のある病気として世界中の話題の中心となった。

当然東京生まれ東京育ちの私にも影響があった。

4月からコロナ対策として、在宅勤務が基本的な勤務体制となったのである。実家に住んでいる私は平日3食母親と父親と食事を囲むことになったのである。

正直とても苦痛であった。

生まれてきて27年経つが、あまり家に滞在せず、基本的には家は寝るだけであったが、昨今の事情により、主に過ごす場所が実家になってしまった。

そんなことからそろそろ実家を出ようかと重い腰をあげることになったのである。

当初は会社の近くと一般的に思いつきそうなことを考えていたが、如何せんやりがいを求め、働くことをに意義を感じて建築デザイナーという職業を選んだ私には求めるスペックを満たす賃貸マンションの部屋は借りることはできない。

コロナ禍で家で働くことが主になった今、1Kは小さすぎるし、それだったら実家で良い。実家は東京で仕事をする際、泊まっていくという考え方、いわゆるデュアルライフを具体的に考えてみよう。1LDK以上が欲しいというわがままから都内以外に目を向けることにしたのだ。

候補地としては、自然が溢れて日光が浴びれる健康的なライフスタイルな場所。するとでてきたのは憧れの街湘南エリア。レッドアロー号で東京直通の秩父エリア。いまのところそんなところである。

東京からのアクセスを考えると興味深いのは湘南エリア。藤沢、茅ヶ崎、辻堂である。具体的に家賃を調べてみると月7-8万円だせば、希望通りの家を手に入れることができるのである。海から3-4kmの場所で、seasideな生活。これほど響きの良いことばはなく、あとは物件の選びとタイミング、そして都合の良い言い訳だけだ。

そんなこんなで周りに話していたら葉山に別荘をもつ面白いおじさんから別荘に住まないかという提案をいただいた。タダで住むというのがなんとなく面倒でお断りしようとした。そのおじさんは面白いが、気分屋でクレーマーであり、とても疲れるからだ。しかし、YOUTUBEで葉山を見てみるととても過ごしやすく、ギャルがいて楽しそうなライフスタイルが送れるなという印象を抱いた。そこでうまく関わり方を考えてみようと思ってたのである。

月に2回ほど庭の手入れや家の掃除をしに行くという建前を作ってやれば、寛ぎ自省し、本を読む場所として活用することができるのではないか。朝は早起きしてSUPやサーフィンをする。昼は庭でBBQなど、独身生活を満喫することができそうだ。

東京の実家は仕事の前泊用。湘南は仕事用。葉山はリラックス用として他拠点生活を送る。そんなことを最近考え、憧れている。理想だが、贅沢は敵という日本人らしい考え方がこびりついている私はなかなか一歩を踏み出せない。贅沢をしたら、努力が実らない、成果がでないなどと考えてしまうのである。運とタイミングがあったのだから身を投げ出すのもそれはそれで人生だと思うし、そういう生き方をしてきた。

アーバンとSEASIDE で構える他拠点生活-

なかなか良いじゃないか。そんなことを考えていると私に深い深いトラウマを刻み込んだ元カノのことを思い出すのである。

デュアルライフな生活に憧れてその生活を目指し方向性の違いから別れ、彼女の考え方に共感しサポートする男性と別れたあとすぐに付き合い結婚した彼女(浮気)。今は、都内に住んでいて、仕事もろくになく、デュアルライフは実現できていないそう。そんな現実を横目で見ながら、おそらく皆が憧れそうな他拠点生活の実現に近づいている。

27際で人生とはなんて大それた言葉を使う気はないが、なんとも皮肉なことだと私なりに苦悩と憧れを噛み締め、考えをまとめてみた。

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