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CARICOMってなんだろう? ダンスが人気の国々?

 今年は「日・カリブ交流年2024」。日本とCARICOMが事務レベル協議を開始して30年が経過したことを記念している。
 恥ずかしながら「CARICOMって何だろう?」がこの記事を書くきっかけとなった。CARICOMとは、Caribbean Communityの省略形で、中南米のカリブ海近辺に点在する島嶼国と沿岸の大陸国から構成され、カリブ海地域に点在する経済統合を目指して設立された地域機構を指す言葉だ。簡単に言えば、「カリブ共同体」ということだろう。

 現在、CARICOMには14か国と1地域が加盟している。アンティグア・バーブーダ、バハマ、バルバドス、ベリーズ、ドミニカ国、グレナダ、ガイアナ、ハイチ、ジャマイカ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、スリナム、トリニダード・トバゴ、モンセラット(英領)の14か国と1地域だ。旧イギリス領が多く、12か国が英語圏であることを初めて知る人も多いのではないだろうか。恥ずかしながら、私が聴いたことのある国も9ヵ国しかない。

 カリブ海のイメージは、青い空とエメラルドグリーンの海、まぶしい白砂のビーチ、島々を巡るクルーズ船、派手なダンスなど開放感あふれるイメージが強い。特にダンスはそれぞれの国で発展し、今日に至る。

 ブラジルといえばリオのカーニバル! 華やかなカーニバルはサンバを思い起こさせる、実はサンバとは踊りではなく音楽のジャンルで、100年以上の歴史があるそうだ。植民地だったブラジルで、アフリカのリズムとヨーロッパ文化の影響が融合して発展し、ポルトガルとスペインによる抑圧への抵抗と発散の象徴として、当時の奴隷が広場に集まって歌い踊ったことがルーツになった。

 アルゼンチンと言えばタンゴ。2009年に世界無形文化遺産に登録されたアルゼンチンタンゴ。高速の足さばきなど難度が高いイメージだが、一般的にはサロンタンゴというスタイルが親しまれていて、ミロンガと呼ばれるパーティイベントは世界中で人気とのこと。タンゴには癒やし効果があるそうで、身体のバランスをステップで整え、音楽で心を癒やす「タンゴセラピー」という活動が注目されている。

 コロンビアやパナマでは「クンビア」というダンスが親しまれているそうだ。私にとっては初めて聞いたダンスの名前だ。中南米の先住民族とアフリカ、そしてヨーロッパ文化の融合の象徴ともいえるクンビア。そのよさはダンスの気軽さで、他の国のダンスと異なり、レッスンを受けたり練習したりすることなく、単純なステップで誰でも踊れるのが魅力とのことだ。村のお祭りでも、家族が集まるお祝い事でも、音楽が流れると老若男女がビール片手に踊り始めるのがクンビアだという。

 キューバでは「サルサ」が有名だ。元気で明るい曲調のものが多く、踊りもエネルギーに満ちあふれるサルサだが、もともとは黒人奴隷の気持ちを表現する手段の一つだったそうだ。その起源は1930年代にさかのぼり、キューバの庶民的な音楽ソンが、ニューヨークに渡ってマンボとなり、そしてニューヨークサルサが誕生。同じくソンから派生したチャチャチャがロックの影響も受けて、キューバンサルサに発展したといわれている。

 「バチャータ」は、スペインやキューバ、アフリカの様々なジャンルの音楽が混ざり合い、1960年代にドミニカ共和国で誕生した音楽と踊りだ。80年代以降、ドミニカ共和国や中南米にとどまらず世界で活躍するバチャータシンガーが多く登場。ロマンティックで滑らかなバチャータに魅了される人は日本を含め、世界中で今なお増え続け、そして音楽と踊りは進化し続けているそうだ。

 日本で例えたら何にあたるんだろう。「盆踊り」かなぁ。

 

 

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