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カリブを旅してみたいものだが…

 2024年は、日・カリコム(カリブ共同体)事務レベル協議開始後30年が経過した年であるとともに、日本とジャマイカ及びトリニダード・トバゴ共和国との国交樹立60周年にも当たる。これを記念し、2024年を「日・カリブ交流年」とすることを決定した。日本と中南米は距離的には遠いものの、歴史的なつながりは深い。全世界約390万人の日系人のうち約6割が中南米で暮らし、現地に根づいた「ニッケイ社会」は双方の交流や経済的な結びつきに大きく貢献している。


 青い空とエメラルドグリーンの海、まぶしい白砂のビーチ、島々を巡るクルーズ船…開放感あふれるイメージが強いカリブ海地域。この美しい海に点在する島嶼とうしょ国と沿岸の大陸国から構成され、経済続合を目指し設立された地域機構がカリブ共同体(CARICOM)だ。

 現在、CARICOMには14か国と1地域が加盟しているが、旧イギリス領が多く、12か国が英語圏であることを初めて知る人も多いのではないだろうか。多くの国が、景観を生かした観光業を主要産業にしており、小島嶼国で国々の距離も近いため、飛行機やクルーズ船などで短期間のアイランドホッピングが可能だ。アイランドホッピングとは、島と島とをつなぐ短い旅を繰り返しながら大洋を渡ることである。

 ジャマイカのレゲエなど陽気なラテン気質の人々が生み出す文化も特徴だ。スティールパンの発祥地、トリニダード・トバゴのカーニバルは圧巻で、世界三大カーニバルのひとつといわれている。魅力に富むCARICOM諸国だが、課題も少なくない。小島嶼国ゆえの自然災害に対する脆弱性は深刻で、大きなハリケーンが来ると国が壊滅状態になることもある。また、とりわけ東カリブ諸国は国土が小さく人口が少ないため、マーケットが小さすぎて経済発展が難しいという問題もある。


 こうした課題に対する日本の協力の歴史は、半世紀以上にわたる。同じ島興国として日本の知見を生かせる防災や、観光以外に産業振興を目指した水産分野に関しては、とりわけ力を入れてきた。ハザードマップ策定やコミュニティ防災などの技術協力も実施してきた。近年は、ジャマイカが災害に強い観光業をつくっていこうという観光レジリエンスへの取り組みに積極的であり、カリブ全域に広げていくために日本のさらなる貢献も期待されている。水産分野への協力は、食料を輸入に頼る現状からの脱却という点でも意義が大きい。これまで無償資金協力で整備してきた魚市場、漁船、冷蔵・冷凍施設をさらに活用しつつ、今後は環境保全の視点も重視しながら持続可能な水産業を目指していく必要がある。2025年までに食料輸入を25%減らすという地域目標を22年に発表しいる。


 近年は保健医療分野への協力ニーズも高まっている。日本のODAの卒業国が多いカリブ諸国では消費が拡大し、ファストフードが大人気になり、新たな弊害を生んでいる。食生活の変化により、肥満や糖尿病などが深刻化しているとのことだ。生活習慣が主因の非感染性疾患が、CARICOM諸国では死因の8割以上に上る。保健医療体制の改善を目指し、日本からの今後の支援は政策や戦略の策定に関わる協力まで行っていく必要がある。

 マダガスカルにも行ってみたいが、カリブの美しさも見てみたい。世界中に一度は訪問してみたい場所がたくさんあるのだが、こんなに円が弱くては、海外旅行に行くこともなかなか難しい。

 いまはパソコン上で海外旅行をしている気分になっている。しかしながら、映像や画像で見るのと、自分の五感で体感するのとではあまりにも違うんだろうなぁ。



 


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