差別を考える～肌色のバンドエイド～

　アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソンのブランド「バンドエイド」は「我々は差別や暴力、不正と戦う黒人の同僚や協力者、コミュニティーと連帯する」と表明し、明るめから濃いめの茶色と黒の５種類のカラーバリエーションのバンドエイドを一昨年発売した。この動きには称賛の声が上がっている一方で、１９２０年に創業された企業にしては対応が遅すぎたという失望の声もあるが、ＢＬＭ運動の余波を受けての前進と捉えて良いのだろうか。

　プロ野球の読売ジャイアンツにオコエ瑠偉という選手がいる。妹のオコエ桃仁花は、東京五輪の女子バスケットボールチームの日本代表として活躍し、銀メダルに輝いたし、先日のワールドカップでも大活躍だった。
　オコエ兄妹はナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれた日本人である。しかしながら、この兄妹はれっきとした日本人であるにも関わらず、日本で黒人差別を受けて育ってきた。