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インクルーシブではない災害避難所
東日本大震災が起こって9か月以上経った2011年12月24日の毎日新聞に「障害者の死亡率2倍」という記事が載った。東日本大震災の被災死亡者は15,900名に上り、その約2%が障害者手帳を所持する人だということがわかっている。
東日本大震災の被害が最も大きかった東北3県の沿岸部の自治体で、身体、知的、精神の各障害者手帳の所持者に占める犠牲者の割合は約2%に上り、住民全体の死亡率に比べ2倍以上高かったことが、毎日新聞の調べで分かった。多くの犠牲者は自主など施設以外の場所にいて、移動が困難だったり状況を把握できず津波から逃げ遅れたとみられる。障害者が抱える災害時のリスクをどう減らすかが改めて問われている。
調査は10月、3県の沿岸部のうち犠牲者が出た35市町村を対象に実施、
33市町村(宮城14、岩手9、福島10)が回答した。仙台市と岩手県陸前高田市は「障害者の死者数を把握できない」として数値の回答はなかった。33市町村の死者は計13,619人で、全体に占める割合は約0.9%。身体、知的、精神の各障害者帳の所持者(計76,568人)に限ると犠牲者は1,568人で、死亡率は約2%に達していた。
障害者が亡くなる率が特に高かったのは宮城県沿岸部。599人の障害者が亡くなった石巻市は7.4%に上った。538人は身体障害者で、うち256人が肢体不自由だった。視覚障害者と聴覚障害者もそれぞれ30人以上亡くなった。市障害福祉課は「施設入所者やデイサービスを受けていた人たちの死亡例は、ほとんどなかった。自力で動けなかったり、津波が迫るのが分からず自宅などで逃げ遅れたケースが多かった可能性がある」と指摘する。
2024年3月1日現在、震災関連死は3,802名に上るが、その9割が65歳以上の人や障害を抱える要配慮者に集中している。関連死に至らないまでも、被災3県では高齢者と障害者の震災後の介護度が格段に増加しているという。
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