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ねこのよりあい


11月4日土曜、シアターねこにて
『体験型の地域芸術祭 ねこのよりあい』に
参加してきました!

こちらへ


『劇場で出会うプロジェクト実行委員会(以下、劇プロ)』という、
表現を志す市民の輪を、丁寧に広げるような活動を行なっている愛媛のグループがありまして、
今回はその劇プロが2年に1回開催するのが、地域芸術祭「ねこのよりあい」です。

『いえねこ戯曲道場』の様子

僕は前年に劇プロのオンラインプログラムで『いえねこ戯曲道場』という講座に参加していました。

『いえねこ戯曲道場』では「渡部真穂の一月二日」という、ある(架空の)女性・渡部真穂の、様々な年代の一月二日の様子を書いてみよう!という企画が、1年くらいかけて行われました。
案内人のUnit out・玉井江吏香さんの下、愛媛・広島・岡山から、計8人の参加者が連作戯曲を書きました。

僕は30代の真穂を書いたのですが、20代〜60代くらいまで、いろんな真穂が描かれました。
ある人はコントを、ある人はホームドラマを、ある人は恋愛を、ある人は悲哀を、またある人は宇宙そのものを、同じ主人公とその周辺の人たちのことを描いているはずなのに、こうも作風が違うか……と驚いたものです。

1作品10〜15分程度なのですが、各々作者の個性が粒立っていて、参加者として他の作者の作品を読むのも楽しかったですね😸

広島からは劇作家として他に、川村明恵さん(明恵ちゃん)、遠藤創さん、井塚昭次朗くんが参加しました。

三人とも個性的で面白いし、この講座で書き上げられた作品を読んでみても、伝えたいこと、コアの部分のある劇作家さんなんだな……と改めて感じましたね。

おいもさん

『ねこのよりあい』では、その戯曲たちを愛媛・広島の俳優が演じることになり、
僕も俳優として他の作品に出演もしました。

シアターねこで演じるのは2019年に「ウタとナンタの人助け」の愛媛公演で演じて以来2回目なんですが、それ以外でも観劇やスタッフ参加などで度々シアターねこにお邪魔していたので、まるで緊張することもなくのびのびやらせてもらいました。

ちなみに僕の作品は、愛媛の俳優の皆様と、案内人の玉井江吏香さんの演出で素敵に楽しく立ち上げていただきました。
光栄であるとともに、自分の書いた言葉が棘を持って聞こえたり、優しい温かく聞こえたりと、劇作家としても、ふむふむなるほど…と学びになる時間でした。

出店されていた「たずねけりコーヒー」さんのグレープフルーツエール。
出店されていたVergecarさん。僕はキーマカレーを食べましたが、ピタパンサンドと梅シロップソーダも気になりました…。


他の企画のことも書きましょうね。
『JAZZの歌詞を自分の言葉で訳してみよう』は、タイトルのとおりですね。JAZZの名曲を自分の言葉で翻訳してみよう!という企画です。

企画の最初でこれを配られました。

皆さんは『I love you.』をどう訳しますか?

僕は『なんでもあげる』にしましたが、
『I love you.』だけでも十人十色でした。

その後実際に、JAZZの歌詞を自分の言葉にしてみるチャレンジをしました。

事前に歌詞の原文と、機械翻訳されたものの2種類が渡され、それを手綱に言葉を言い換えていくため、英語を読めない人でも参加の出来る企画となっていました。

著作権の関係上実際に使用したものや、僕が翻訳したものはここに掲載出来ないのですが、
前述の「I love you.」のように、
英語の風合いと骨格を、いかに「日本語」で、「自分の言葉」で肉付けしていくかが試されます。

例えば、歌詞の中に、

Every time we say goodbye, I die a little.

Every time we say goodbye(作詞/作曲:Cole Porter)より

というフレーズがあります。

この「I die a little.」の部分を直訳すると「私は少し死ぬ。」となります。

直訳だとおかしな日本語になりますが、
これを、自分の言葉に変えていくのです。

僕は、
『さよならを言うたび、からっぽになる。』
としてみました。

他の方の作品で印象深かったのは、
『さよならは言わない』
でした。

あ、死んじゃうくらいさよならは辛いから、もうはなから言わないんだ!なるほど…

こんな感じで、その人の詩人的な個性が自然と引き出される「詩人育成プログラム」でした😺

こちらは道化絵師MINEさんのライブペインティング。
MINEさんが書き始めたものに、道ゆく人で色々のモノ、軌道を書き足して、一つの作品に↓

写真中央が完成したアート、奥列左から3番目がMINEさん。

MINEさん曰く、最初は森を描こうとしていたらしいですが、
どんどん世界が広がって、最終的に宇宙になったそう🪐

途中で、通りすがりの男の子が喰らいつくようにどんどん描いていき、帰る頃には絵の具まみれになっていて、
MINEさんがその子に、自分の着ていた上着を「弟子が出来た」と言って渡したそうです🙀 漫画みたいな展開や!

大きくなったらその子もアーティストになっているかも…😻

「文通」が抜けて「武者修行」

『文通武者修行』や『漂流古本市』のように、
ねこのよりあいが終わった後から始まっていく企画もあります。

僕は『漂流古本市』に古本の流し手として1冊の本を誰かのもとに送り、受け手として1冊の句集に出会いました。

これから読んで、見知らぬ誰かにメッセージをお送りしよう思います。

全てを終えたあと、暗くなった松山とシアターねこ

一つ後悔は、『JAZZの歌詞を自分の言葉で訳してみよう』と同じ時間にやっていた『観劇吟行』に参加出来なかったこと😿

『観劇吟行』は、前述の『渡部真穂の一月二日』の前半部分が終わった後、その前半で上演されたことから俳句を作ってみて、みんなで句会をしてみようという企画でした。

俳句や短歌、自由律詩、「句会」という場所にも興味があったのですが、
いかんせん翻訳に熱を入れ上げてしまい、参加出来ませんでした🐱

話に聞くと、俳句を敬遠していた方が、『観劇吟行』に初めて参加して俳句を楽しまれていたとのことで、
表現に初めて触れる機会がそういう風に、素敵な時間になるのは良いことだな😌と思ったりしました。

あと、もし自分が子供だったり、子供を持つ親だったら『テントであそぼ』も参加してみたかったな、とも思いました。

僕は子供の頃、テントみたいな狭くて落ち着く場所が好きだったので、
子供の僕だったら「テントであそぼ」は何時間でもいられた気がします。
絵本を渡すとさつまいもをくれるというのも、楽しいやり取りですよね😸

はい、というわけで、
『ねこのよりあい』レポ、以上となります。

劇場で出会うプロジェクト実行委員会の皆様、本当にお世話になりました。

芸術・表現の輪を、その人らしさを尊重しながら丁寧に丁寧に拡げていくこの活動が、どうかこれからも続いて、一つ一つ花開いていきますように。

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