コンサートの楽しみ方
コンサートの楽しみ方
1人で出掛けるのは苦手という人は多いだろう。特に映画やコンサートは……。
だから、初デートは1人で行きにくく、あまり話す必要がない映画やコンサートという人が多いに違いない。そして、趣味等が合うかどうかを探っていく。デートの理想の形である。でも、逆を言えば自分に相手で良いのか問うている時間と言えるだろう。
さて、先日、コンサートに3人で出掛けた。でも、席を離して座った。理由は事前に読み込んだパンフレットに基づいてじっくりとコンサートを楽しみたいと思ったからだ。
私はフルートの宮川彩音さんが大学生の頃から縁あって応援している。
応援する中で彩音さんは成長してきたなとまじまじと思う。
例えば曲に対する説明である。学生時代の曲紹介においては擬音語で音楽を表現していた部分があり稚拙な面が見受けられた。しかし、今回のコンサートに至っては曲の内容が的確に説明されておりより一段の高いレベルになったのではないかと判断できた。
ただ、私にとって2つ残念なことがあった。
1つ目は来場している方がその言葉を把握しているのかということである。例えば、ソナタという言葉の意味である。ソナタは3楽章を意味する言葉である。きっと音楽の知識がない人であれば、冬のソナタぐらいしか思い浮かばないだろう。ソナタの意味だけでちょっと知的な気持ちで曲を聴けるかもしれない。そんな配慮をしてもいいかなと思う。
2つ目は口頭の説明で十分だと思うが、なぜその曲を選んだのかを知りたかった。若い人がどうしてこの曲を選んだのか? 学生時代にこんなことがあったからこの曲を選んだのか? を知りたかった。ある音楽家の気持ちを理解したくて「君の膵臓を食べたい」という本を読了した時、ロマンチックな本だなと思った。でも、そのロマンチックの先を表現することは難しい。つまり、表現するのは小説家の仕事と言える。どんなくだらない理由でもいい。例えば、雑司ヶ谷の墓地でのデートが好きだ。お金がかからない。夏目漱石のお墓参りができる。ちょっと知識人に思われる。そんなことでいいと思う。そんな理由を知りたかった。可能であれば、そんなことも踏まえてコンサートを改善して頂けたらと思う。
最後に、来場者は着実に増えている。今後、その来場者が増えていくのもコンサートの楽しみだ。
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