見出し画像

神聖なるものの具現化

ここ数日は現代アーティストの小松美羽さんに圧倒されている。たまたまYouTubeで経済学者の成田祐輔さんとの対談を見たことが、彼女を知ったきっかけだ。

その感覚と感性は非常に純粋で、人間的でない奥深さがある。「何も無いが確実に何かが在る」というイメージに近い。何者かによる感覚そのものが、彼女の身体を媒体として作品に落とし込まれている。その不明確な存在と小松美羽さんと、そして作品という三位一体の関係性がとても興味深い。

ライブペインティングの映像を見ても、そこに何が描かれているのかは正確には分からない。しかし、その真剣さと迫力、情熱に圧倒される。どこかから湧き上がる混沌としたエネルギーのようなものが、小松さんを通して表出する。それは確実に人の心を捉え、動かす。「感動する」とはこのことなのだろう。

アートとは、人の心に響くものを言う。そして、人の心に関与するものには「情熱」や「真剣さ」が含まれるように感じる。常人には発することのできない深い感情やエネルギーに触れたとき、人は感動する。何を表現しているのか、具体的に何なのかということを理解する必要はない。頭で理解する以前にそこに何かを感じるもの、感覚へと促すものをアートと呼ぶのだろう。

2022年12月24日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?