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物理と社会:時間との関係性

この宇宙において、物の理は常にそこに在り、不変だ。一方で、我々の生きる社会の制度やシステム等のあらゆる社会的諸要素は変化する。それらは言ってみれば、人間が人間のために作ったものである。

人間が存在する以前にも、物理的原理はこの地球上、そして宇宙には存在する。そして、ホモ・サピエンスが何かしらのきっかけで生まれた後に、進化の過程で「社会」を築いた。その際、人間のための様々なシステムが人間の手によって作り出された。

物理法則には「時間」が関与しないと言われる。あらゆる物理現象の根本にある諸法則は、時間という要素を取り除いても成立する。それは「時間」というものが、人間に関わる人間の作り出した概念である可能性を示している。

一方で、例えば経済法則には、時間は密接に関係している。「時間」という要素なしには、経済現象を説明することはできない。時間を除くと、銀行や投資、経済成長は成立し得ない。

我々は時間を感じる。昨日と今日、過去と現在とを区別する。しかし、「感じる」ものは必ずしも確かなものではない。五感である視覚も聴覚も、誤った認識を招くことはある。それは脳内ではじめて解釈されるものだからだ。したがって、人間が時間を感じ、それに則って生きているからと言って「時間」というものが確実に存在する物理的事象であるとは限らない。

現代の人間社会には多くの矛盾が存在する。それらの矛盾に対して我々は、適切なアプローチを一つ一つ、正確に取っていく。そして、どこかの時点で人類は、その先にある社会の根本的矛盾を科学的に示し、解消する。その日は意外にも近くまで来ているように思う。

2022年12月30日

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