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日記⑯:先入観はあらゆる可能性を見えなくする

先日、突然ノートパソコンのキーボードが故障した。複数のキーが反応しない。パソコンの修理屋に持って行ったが、キーボードの故障なのか、はたまたマザーボードの故障なのかが判断できないとのこと。キーボードの修理は可能だが、マザーボードが壊れていた場合にはなおらない。また、マザーボードの修理はメーカーに問い合わせる必要があり、修理する場合にはかなり高額な料金がかかる。利用年数もそれなりに経っていたため、それならいっそのこと買い替えてしまう方が得策だと思い、購入することにした。

ネットでの買い物は日頃楽天で行っているため、パソコンも楽天で購入した。デザインや機能性ともに満足のいく商品を購入できたのは良いものの、不安要素が一つあった。その家電量販店の利用する配送業者だ。出荷の案内メールに書かれた配送業者の社名は聞いたことがない。調べてみると評判がすこぶる悪い。時間指定をしてもその時間内に配送されない、そもそも出荷されてから商品が届かないなど、かなり否定的な内容が散見された。特に酷いものでは、一日中家にいたのにもかかわらず、配送状況を確認すると「持帰(ご不在)」になっているというものまであった。

いわゆる悪徳業者なのかと不安に思いながらも、商品到着の指定した日時を迎えた。起床して顔を洗い、朝食をとって、その後は読書をしていた。今か今かと配送状況を確認したところ、1時間以上前に「持帰(ご不在)」となっている。やられた…。インターホンは鳴っていなかったように思うが…。

しかし、自宅にある郵便受けには不在表が入っていた。インターホンを確認したところ、確かに荷物を持った配送業者の方が映っている。どうやら、僕がインターホンの音に気付かなかっただけのようだ…(その時間はちょうど顔を洗っていた)。非常に申し訳ないことをした。

不在表に書かれた番号に電話をかけ、再配達を依頼した。とても丁寧で親切な受け答えであった。その日の夜に、再配達をしてもらった。その時の対応も非常に印象が良かった。お詫びにお茶を渡した。

終始、悪い評判とは裏腹に、丁寧な対応のもと商品を届けてくれた。社会的に知名度のない配送業者であること、そしてその評判が良くないことから(そもそも評判には不正確な内容も多い)、見当違いな先入観を抱いてしまった。不安に基づくネガティブな先入観は、時に見誤った判断につながりかねない。感情的になって上記のような「自宅にいたのにも関わらず『持ち帰り(ご不在)』になっていた」などと、否定的なコメントをしてしまいかねない。高額な商品であれば尚更だ。

先入観や思い込みは、起こり得るあらゆる可能性を見えなくさせる。ポジティブな先入観や思い込みはネガティブな可能性を、ネガティブなものはポジティブな可能性を勝手に思考から取り除く。前者は過度な「期待」に、後者は過度な「不安」につながる。

この一件から、常に冷静に、可能性の視野を広く持つことの大切さを再認識した。それと同時に、配送業者の方へ、深い感謝の気持ちを抱いた。

2023年4月27日

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