小林川 蕉太/Shota Kobayakawa

1999年生まれ。2023年に小説家としてデビュー。その傍らオーストラリアの大学院で勉…

小林川 蕉太/Shota Kobayakawa

1999年生まれ。2023年に小説家としてデビュー。その傍らオーストラリアの大学院で勉強中。現在は小説家、大学院生の他に動画クリエイターやサッカーのコーチ、英語教師などもしている。柏レイソルの大ファン。12年以上サポーターをしている。

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【小説】 繊細と想像 全文

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    • 繊細と想像 YouTubeにて全編公開決定!

      小林川焦太が執筆した「繊細と想像」が全編無料公開されることになりました。 現在、私のチャンネルでは第1章と第2-1章が公開されています。ぜひ寝る前など、ラジオ感覚で聴いて頂けると幸いです。 制作 小林川焦太 朗読 DEAM 下記のリンクから見ることができます。 また、「小林川焦太」ないし「寝ながら聴けるクトウテン」と検索していただいても見ることができます。 もし、文字で読みたい方がいらっしゃいましたらぜひこちらのリンクからお買い求めください。 Kindle本

      • 400字小説 | 秘密2

        「お母ちゃん、僕のお父ちゃんはどこにいるの?」 僕は涙を浮かべてるお母ちゃんに聞いた。 「お父ちゃんはね雲の上にいるよ。」 「雲の上?なんで?」 「お父ちゃんは大切な人を守ったからだよ。」 「そっかあ。じゃあお父ちゃんはヒーローだね。」 「そうだね。」 「僕もお父ちゃんみたいになりたいなぁ。僕もヒーローになりたい。」 「ヒーローか。良いと思う。お父ちゃんも雲の上で笑ってるよ。」 「へへへ。お母ちゃんの夢は?」 「お母ちゃんの夢?そうだなあ、ヒーローが生まれ

        • 400字小説 | 秘密

          「人は一つや二つ言えない秘密があるんだよ。」 お母ちゃんは僕の手を繋ぎなぎがらそう言った。 「言えない秘密?お母ちゃんの言えない秘密ってなに?」 「言わないよ。だって言えない秘密だもん。」 「えー、教えてよ。気になるじゃん。」 「じゃあね、健ちゃんの言えない秘密を教えてくれたら教えてあげる。」 「んー、寝る時お母ちゃんが僕の手を繋いでくれないと怖くて寝れない。」 「そんなのダメよ。分かりきってるもん。」 「えー。じゃあ僕言えない秘密なんてないよ。」 「じゃあ

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        【小説】 繊細と想像 全文

          140字小説 | 小心

          「よくここがわかったな。」 「そりゃあわかるよ。だってここは君の隠れ家じゃん。 それにしても汚いね。色んなものが溜まりに溜まってるよ。」 「しょうがないだろ。だってもうどこにも出せないんだから。」 声がそう言った。 「じゃあ次は溜めないようにしな。」 シャイな僕は声に届く前に言葉を仕舞う。 「このロープを掴め。」 誰かが僕にそう言った。 「やだね。」 「ここから出たくないのか?」 「どうせ僕を捕まえる気でしょ?」 「何言ってんだ。じゃあ知らねえからな。」

          140字小説 | マドレーヌ

          「マ、マド、レー、ヌ。」 僕が徒競走で負けた時、父は横に座りマドレーヌをくれた。 「これでも食え。マドレーヌを食べるともう戻れーぬってな。もう過去には戻れないんだ。これを経験に強 くなれ。」 そう励ましてくれた父も今や病院のベッドで横たわっている。 僕は涙をこぼしながらありがとうと言った。 「このロープを掴め。」 誰かが僕にそう言った。 「やだね。」 「ここから出たくないのか?」 「どうせ僕を捕まえる気でしょ?」 「何言ってんだ。じゃあ知らねえからな。」

          140字小説 | マドレーヌ

          140字小説 | 井戸

          「このロープを掴め。」 誰かが僕にそう言った。 「やだね。」 「ここから出たくないのか?」 「どうせ僕を捕まえる気でしょ?」 「何言ってんだ。じゃあ知らねえからな。」 ロープが徐々に上に上がった。 僕は勇気を出してロープにしがみついた。 するとどうだろう。 井戸の中にいた僕は初めて広大な海を見た。 私の処女作「繊細と想像」がAmazonKindleで販売中です! よろしければ是非ご購入ください! Kindle本 ペーパーバック本 1.免責事項 当ブログ

          140字小説 | 内広

          「どうして君はそんな顔をしているの?」 「どうして君はそんな態度なの?」 「どうして君は正直になれないの?」 僕はそう聞いた。 「わからない。」 「安心するからかな。」 「それか一番になりたいからかな。」 僕はよく分からないまま今日も家族の前で威張り散らす。 内広は臆病と愛情の重ね着なのだろう。 小林川蕉太の処女作「繊細と想像」がAmazonKindleで販売中です! よろしければ是非ご購入ください! Kindle本 ペーパーバック本 1.免責事項 当

          140字小説 | 回れ右

          「回れ右!」 僕がそういうと皆一斉に右に向いた。 もう一度言ってみる。 「回れ右!」 数人が間違えて左に向いてしまった。 すると恥ずかしそうに体を丸めながら右に二回回った。 実につまらない。 この広い村でなぜ回れ右をしなければいけないのかを問う人は誰もいなかった。 小林川蕉太の処女作「繊細と想像」がAmazonKindleで販売中です! よろしければ是非ご購入ください! Kindle本 ペーパーバック本 1.免責事項 当ブログからのリンクやバナーなどで移

          36冊売れました!

          光陰矢の如し。 「繊細と想像」が発売されてから約2ヶ月が経ちました。60日は文字で見ると長そうですが実際の肌感ではとても短く感じました。 そんなことはさておき、皆様にお伝えしたいのはなんと私が執筆した「繊細と想像」が36冊売れました。ご購入された方々にはこの場を借りて感謝申し上げます。 私はこんなにたくさんの方に読んでいただけるとは夢にも思っていませんでした。当初はクオリティには自信があったものの、発信力に大きな不安を抱えていました。なので、質はいいけど知られていないと

          【小説】 「繊細と想像」の有料部分も YouTubeにて無料公開中!

          先ほど投稿した「繊細と想像」の無料公開はYouTubeで全て見ることができます。 今回はDEAMさんにご協力いただき、朗読という形で配信しています。 文字ありと文字なしの2パターンあり、前者は読書感覚で読みたい人向けとなっており、後者はラジオのようにながら作業中や寝る前、もしくは聞き流しをしたい人向けとなっております。 DEAMさんの声はとても心地良く、一言一言が体に染み渡っていくように感じます。 皆様もぜひその感覚を味わいに一度ご視聴してみてください。 文字あり

          【小説】 「繊細と想像」の有料部分も YouTubeにて無料公開中!

          【小説】 「繊細と想像」一部特別無料公開!

          小林川焦太執筆の「繊細と想像」の一部を無料公開させていただくことになりました。 これを機に色々な人に知って頂き、一人でも多くの方に読んでいただけると嬉しいです。 以降に小説の一部分がございます。 *Amazonのアソシエイトとして、小林川焦太は適格販売により収入を得ています。 Kindle本 ペーパーバック本 ジリリリリリリ。年季の入った目覚まし時計が早く起きろと言わんばかりの音量で朝七時に鳴った。 眠い目を擦りながら僕は布団の中でさっき見た夢を思い出していた。夢

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          【小説】 「繊細と想像」一部特別無料公開!

          HSPをテーマにした小説|繊細と想像 

          この度私、小林川焦太は処女作となる「繊細と想像」を出版いたしました。タイトルにもあります通り、HSPいわゆるHighly Sensitive Personを題材にした小説となっております。今までにも「HSPとは何か?」という本は多数見受けられたのですがそれを題材にした小説は少なかったのでは?と思います。 以降にこの本のあらすじが載せてありますのでぜひお読みください。 これはhspを持つ主人公が歩む優しくて悲惨な物語。 主人公の沖渡任は気にしすぎる性格のせいで人の言動や表情

          HSPをテーマにした小説|繊細と想像