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記事一覧
ジェンダーギャップ指数とかいう使えない指標と女子教育の話
この記事は以下の構成になっています。
1. はじめに
2. ジェンダーギャップ指数で教育項目はどのように評価されているか?
3. ジェンダーギャップ指数の教育項目の問題点
4. 日本の教育にジェンダー問題は存在しないのか?
5. 女子教育問題の見落としが致命傷になる理由
1. はじめに
世界経済フォーラムからジェンダーギャップ指数とかいう使えない指標が発表されて、日本の順位は酷い、こういう対策が
日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」を参考にする方法
米国の教育システムについて解説した記事を現代ビジネスさんに寄稿しました→日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の歪みと闇
なかなかセンセーショナルなタイトルになりましたが(基本的に記事のタイトルを筆者はつけないのです)、タイトルと逆にハーバード大学で見た・シリコンバレーで経験した、というのを日本の参考にするためにはどうすればよいのでしょうか?
答えはシンプルで、検証可能な実証分
日本のSTEM教育、特に女子の理数系教育促進について(放送用メモ)
東京FMのタイムラインで、日本のSTEM教育についてお話したときのメモ書きです。チキンなので生放送で話すときは、いつもこんな感じのメモ書きを手元に置いとくのですが、折角なので公開します。放送は1月10日までラジコで聞けるそうです→リンク
STEM教育に関する記事
・世界のエリートが重視する「STEM教育」日本が抱える2つの難題―10のデータで徹底検証する
・女子の理系離れが起きる6つの理由
アフリカから学ぶべき日本の教育無償化のダメな議論
海の向こうの日本では高等教育無償化のために憲法を改正するか否かで議論が盛り上がっていますが、議論が稚拙すぎる感じがします。ここアフリカでは1990年代以降教育の無償化が進み様々な知見が得られているので、教育経済学の議論と共にそれを紹介してみようと思います。
高等教育無償化・賛成派の議論の問題点
① 無償化後のビジョンが欠如している
アフリカで90年代以降教育の無償化が進み何が起こったかという
ユネスコ分担金保留の最大の被害者は途上国の子供たち?
ユネスコが実施している「記憶遺産」に南京大虐殺文章が登録され、その審査過程が不透明であるとして、昨年日本政府はユネスコ分担金の支払いを保留するそぶりを見せましたが、今年も記憶遺産で慰安婦問題を巡って再び保留のそぶりを見せています→産経新聞の記事
ところで、私がユニセフ本部を離れてモントリオールにいる彼女(現妻)の所で仏語を勉強することにした時、既に現職のユニセフ・マラウイとモントリオールにあるユ
#保育園落ちたの私だ、について思うこと
最近日本で話題の#保育園落ちたの私だ、について思うことを書いてみようと思います。基本的な考え方は以前シノドスさんに寄稿した「幼児教育無償化で十分か?―就学前教育の重要性と日本の課題」と殆ど変わりがないのですが。
思うこと①保育園の拡充と女性の労働参加
「Crowding-Out Effect of Publicly Provided Childcare: Why Maternal Employ
日本にもいつか2015年がやってくるのか?
SYNODOSさんに掲載された「日本の女子教育の課題ははっきりしている」のおまけ追記です。記事のキーポイントは、①日本の女性の大学・院進学率は低い、②STEM系進学率も低い(トップスクールへの進学も少ない)、③日本の女性は基礎的な人的資本は優れている→④それが労働参加に結びついていない→⑤高度な人的資本を備えた日本人女性は不足している、という辺りでした。
おまけ追記では自分の専門分野の隣接領域で
日本の女子教育失敗の歴史
SYNODOSさんに掲載された「日本の女子教育の課題ははっきりしている」の追記Part2です。もう一度日本の女子教育の課題を要約すると、中等教育では質・量ともに優れているが、①教育段階が上がるほど女性が少なくなる、②女子大生がSTEM系の専攻を避けてしまっている、③そしてトップスクールの女子学生比率が低い、という3点になります。ところで、教育段階が上がるほど女性が少なくなるというのは一体いつ頃から
もっとみる日本のエリート女子大生・世界のエリート女子大生
SYNODOSさんに掲載された「日本の女子教育の課題ははっきりしている」の追記Part1です。記事のキーポイントは、①日本の女性の大学・院進学率は低い、②日本の女性のSTEM系進学率は低い、③日本の女性の基礎的な人的資本は優れている→④それが労働参加に結びついていない→⑤高度な人的資本を備えた日本人女性は不足している、という辺りになります。記事では①日本の女性の学部・院進学率が低い、②STEM系へ
もっとみる「日本の女子教育の課題ははっきりしている」が掲載されました。
αシノドス182号で、「日本の女子教育の課題ははっきりしている」というインタビューを掲載して頂きました。内容は「Education at a Glanceから見る日本の女子教育の現状と課題」ほぼそのままなのですが、データを最新のものに更新したので、この記事が出版された3年前と比べてどうなのか?と注意しながらインタビューを読んで頂けると、女性の活躍を掲げる安倍政権がどれぐらいの成果を上げられているの
もっとみる「幼児教育無償化で十分か?―就学前教育の重要性と日本の課題」を掲載していただきました(2013年3月頃の話)
「幼児教育無償化で十分か?―就学前教育の重要性と日本の課題」という記事を掲載して頂きました。少し執筆後記を書いてみようと思います。
今回の記事のポイントは、①低学力に陥るリスクが高い子どもに重点的に、就学前教育の段階から介入すべき、②女性の労働参加、という観点から見た場合ボトルネックになっている可能性が高いのが0-2歳児の保育で、特にシングルマザーの中でその可能性が顕著である可能性が高く、この層
「Education at a Glanceから見る日本の女子教育の現状と課題」を掲載していただきました(2012年10月頃の話)
Education at a Glanceから見る日本の女子教育の現状と課題、を掲載していただきました。
国際機関でジェンダーの仕事もしているので、たまに仕事中に途上国のジェンダー問題に取り組む前に、日本に戻って自分の所のジェンダー問題をなんとかしてきた方がいいんじゃない?、なんて揶揄されます。そんな日本のジェンダー問題ですが、もちろん様々な要因の結果現状のようになっているのですが、比較的日本の
「高等教育の量的拡大はどのように行われるべきか?」を掲載していただきました(2012年9月頃の話)
高等教育の量的拡大はどのように行われるべきか?、を掲載していただきました。
どこの大学でいつ・何を学ぶかがどのように将来の賃金に影響をしてくるか?、をまとめてみました。日本の過去20年の高等教育の拡大は、あまり将来の賃金上昇に結びつかないような形式で行われてしまったのが残念ですが、これが現在の大学生が多過ぎるというデマにも結びついてしまっているようなのがなお一層残念です。