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さいごのかぎはまだ先に

例えば何かスキルを身につけようとしているとき。
資格試験に向けて勉強をしているとき。
もっと大きく言えば人生。
つまり一生懸命毎日を過ごしているとき。

どうやっても上手にできないことがあったり、何度覚えようとしても覚えられないことがあったり、突然目の前に壁が現れたような気持ちになってどうにも進むことが困難に感じるときがある。

そんなときはどうするのがいい?どうやって解決するのがいい?
答えは簡単。
それでも前に進むこと。
上手くできないなら上手くできないままでいい。
わからないならわからないままでいい。
とにかく前に進むことが大切だ。

立ち止まってうじうじ悩んで時間を費やしてしまうことが一番良くないこと。
もちろんそこで踏ん張って頑張って、何とか解決できる場合もあるだろうけれど、結局挫折して嫌になってしまうことだってある。
悩んで時間を費やしたことでなんだか満足してしまって、結局放り出してしまうことまである。
そんなリスクを背負って立ち止まるくらいなら、やっぱりまずは進めてみよう。

ドラゴンクエストを想像してみて欲しい。
物語が始まったその町で宝箱を全部開けられることがあるだろうか?
レベル1の勇者がそ初めて立ち寄ったお城の宝箱を片っ端から開けたことがあっただろうか?
地下にはきっと開けられない格子の扉がある。
その扉の奥にはたくさんの宝箱が見えている。
見えているからと言ってその宝箱を取るために何時間もその城であれこれ試行錯誤するのが果たして正しいのか。
答えはもちろんノーだ。
誰だってこれは今取る宝箱じゃないんだと諦めて、まずは物語を進めてみるはずだ。
つまりはそういうこと。
それと同じ。

目には見えるけど手が届かない宝箱は私たちの周りのあちらこちらにあって、魅力的なその姿はいつも私たちを悩ませるけれど、実は開けることができるのはずっと先。
それは物語を進めないことにはいつまでたっても取れない宝物。
ゲームであれば私たちはそのルールをわかっている。
通り過ぎて物語を進めていけば、どこかの町で手に入るかぎで扉は簡単に開いて、ゲーム攻略に必要な宝物が手に入ることをわかっているんだ。
だからこそ進む。必要なのはとにかく進むこと。

けれども通り過ぎるだけではダメだ。
通り過ぎて進むことと同じように大切なことがある。
それはちゃんとその宝箱がある場所を覚えておいて、必要なときにそこへ戻って来ること。
その場所をちゃんと覚えていて戻ってくることができれば、一度通り過ぎることは諦めることではなくなる。
悩んだその場所にもう一度戻ってくる。
そのときにはきっとあなたの手には物語の途中で手に入れた”かぎ”がある。
その手に入れた”かぎ”は経験と呼ぶものかもしれないし、単純に流れた時間なのかもしれない。
とにかくそのかぎを以前は開けられなかった扉の鍵穴に差してみたらいい。
開いた扉を目の前にしてきっとこう思うだろう。
なんだこんな簡単なことだったのか、と。
ただそれは進んだからこその感想だ。勇気を出して前に進んだ結果だ。
前に進むことは決して簡単なことではない。
簡単ではないからこそそれは挑戦することと同じくらい誇るべきことのはずだ。


時には手にしているのが”まほうのかぎ”でなんだ結局開かないじゃないかと思うときもあるだろう。
それならもう少し物語を進めてみよう。
きっとあなたにとっての”さいごのかぎ”はもう少し先にあるってことなんだ。

前に進んだのはいいけれどやっぱり上手くいかなくて、突然現れた強いモンスターに襲れることがあるかもしれない。
手にした武器が弱すぎて力尽きてしまうこともあるかもしれない。
けれども大丈夫。そこで力尽きても大丈夫。

「おお 勇者よ! しんでしまうとは ふがいない! そなたに もういちど きかいを あたえよう!」

ほら大丈夫。これは他ならぬあなたが主人公の物語なのだから。

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