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MTG×ジュラシック・ワールドコラボ

『イクサラン:失われし洞窟』にて、『ジュラシック・ワールド』コラボカードが出る。
相変わらずゴジラ方式コラボじゃないのは非常に不満であるが、『ジュラシック・ワールド』というか『ジュラシック・パーク』はとても好きな映画作品シリーズなので楽しみではある。
今回は、『ジュラシック・パーク』から始まる6作品について自分なりのレビューをしてみたいと思う。

『ジュラシック・パーク』

言わずと知れた名作。公開は1993年6月11日(米国)だというから、実はMTG(1993年8月5日)と2ヶ月しか変わらない同級生である。当時、祖父と映画館まで見に行った覚えがある。
撮影技術が現在に及ばないため映像的な美しさは『ワールド』に劣る。しかし、それを補って余りある“見せ方”の上手さが際立つ作品である。
冒頭は全く恐竜を見せずに緊迫感を表し、グラント博士が雄大な草原で衝撃の初対面をするシーンへ繋がることで、より印象を引き立たせている。有名なコップの水に波紋が広がるシーンは、監督であるスピルバーグの過去作『ジョーズ』を彷彿とさせる。「くるぞ」と思っても・・・というかあえて「くるぞ」思わせて見る側をゾクゾクさせる力は比肩するものがない。
「Life finds a way」という言葉のチョイスとその帰結、ネドリーのハンパな悪役の見事なまでのハンパさ、色恋に寄りすぎる米国映画においてエリーとアランの関係も直接的な表現ではなくほんの少し匂わせるだけで本筋を邪魔しないなど細部まで素晴らしい。電気柵を登るだけであそこまで楽しませることができるのはスピルバーグしかいないだろう。
もしこのシリーズを見たことがない人がいたら1作目だけでも良いから見てほしい。

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』

前作と比較されてわりとボコボコに言われている作品。サラがT-Rexは嗅覚が強いと自分で言いながら何故かずっと血の付いた服を着続けていたり、後半の船が襲撃された後の状態に至ってはなぜそうなったのか説明がなかったり(※T-Rexは親子とも檻の中で、後から閉じ込めるのに成功したとしてもあの巨体で暴れまわった形跡が船体になさすぎる)、普通の武器が効いていないT-Rexに突然麻酔銃だけ効果を発揮したり・・・。
ただ、この映画の中で1つ名シーンがある。襲い来るラプトルから人の背くらいある草むらの中で追いかけっこをするシーン。ここは、前作にも負けないスリルと臨場感がある。凄く短いシーンではあるが、最初に見た当時から印象的で、今見ても素晴らしいシーンだと思う。そういうレベルのシーンがふんだんに盛り込まれている1作目がすごすぎるのかもしれないが。
冒頭のあくびシーンは特に要らない。

『ジュラシック・パークⅢ』

前作に登場しなかったグラント博士(サム・ニール)が帰ってきた!と喜んだが、同時に監督がスピルバーグじゃなくて非常に残念がったのを、これまたよく覚えている。
本作のメインとなる恐竜が前作までのT-Rex&ラプトルからスピノサウルスに変更されている。スピノサウルスは魚食性であって地上で暴れまわる類の恐竜ではないらしいが、あくまで一説であるし、そこはまあフィクションなので。あの細長い顎でT-Rexに勝てるわけ・・・と思わなくないが。
作品としては、全体として面白くなくはないが特筆するようなシーンがない。突っ込みどころはいくつかあって、鉄柵ぶち壊したスピノサウルスが何故かボロい小屋の中に入ったら壊せなかったとか、“鳥かご“の水面下に何の柵もないこととか・・・。
現代側からみれば映像技術もまだまだなので、悪い意味で中途半端なイメージ。

『ジュラシック・ワールド』、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』

『パーク』からの映像技術の進化が凄い。特に印象に残ったのが、1作目の冒頭で室内からパーク全体を見渡すアングルへ流れる映像。おそらく前3作の時代にはできなかった表現だろう。
前3作との違いはそれだけではない。1作目の成功に引っ張られて後から付け足され、それぞれほとんど独立したストーリーであった『パーク』に対し、『ワールド』はしっかりと関連付けて構築されている。単なる3作ではなく、3部作として当初から制作に取り掛かったのだろう(多分)。
しかしこの『ワールド』は、端的に行ってしまえばオーウェン、というかクリス・プラットに引っ張られすぎた内容になっている。映画の主役が恐竜からクリス・プラットに変わったかのような。恐竜という未知の恐怖や生命の不思議を強調していた1作目とは全く毛色が違う。どちらかと言えばアメリカン・ヒーローのようなイメージだろうか。特に3作目はその色が強かった。
アベンジャーズを見に来たわけではないのだが?と思ったには思ったが、それでも映像美や迫力は過去の作品とは比べ物にならないほど素晴らしいので十分に楽しめた。
その一方で、前作からのオマージュなどはちりばめられているが、前作を超えるような見せ方の上手さというのはあまり感じられなかった。やはり“スピルバーグ監督”の力は偉大なのだろうか。

1作も見たことがない人はとりあえず初代を見て、面白ければそのまま2→6へ、少し古臭い映像に慣れなければ4→6へと見てもらえればいいのかな。とりあえず『ジュラシック・パーク』 は全員見ろ!

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