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SRPG好きなら絶対おすすめ「トライアングルストラテジー」レビュー

プレイ時間:約150時間
進捗:4週プレイ、全エンド済
難易度:全編通してハード

総評

信念の天秤でストーリー展開が変化していくのが本作の最大の特徴。情報収集したりキャラクターを説得したりして物語を進めていく。
というコンセプトのため、要所要所で選択と決断を迫られ続ける。仕事に疲れて帰ってきたあとに毎度難しい選択を迫られるのでちょっと疲れる。また、キャラクターみんなの意見が終始バラバラで、方向性が一貫しないけど天秤で決まったからそうしよう、みたいな雰囲気が微妙な場面が多々ある。
そういうゲームなのでしょうがないんですけど…

その他、詳しくは後述するが
①ストーリーパートが長い
②敵が強くて味方がすぐ死ぬ
③成長の幅が狭い
という点がプレイしていてイマイチに感じられた。新規IPということでかなり初心者向けに分かりやすく作られていることが感じられるものの、ハマっていくのに時間がかかるタイプなので初っ端で脱落する人も多そうだな、と感じた。

と、イマイチな評価ばかりしているが、ハマってみるとこれがまたとんでもなく面白い。
一手間違えると自陣が崩壊するようなギリギリの戦闘を常に要求され、ここでクリティカルが出ていたら勝てたかもしれないのに、といった状況が頻発する。生きるか死ぬかの戦いが好きな人にはたまらない。

また、ストーリー終盤までずっと信念の天秤で行き先を選ばせておきながら、本当の最後に「天秤を傾かせない道を選ぶのが真の当主だ」という非常に熱い展開が繰り広げられて、素直に感動してしまった。

くどいストーリーとギリギリの戦闘が好きなひとにはたまらない本作。あまり濃いので胸焼けしそうな方は難易度を下げてサラッと話をなぞるだけでも十分お楽しみいただけます。次回作出ないかなー。

迫真犬

良かった点

・準備と戦略が超重要
ハードが極端に難しいが、それでも準備と戦略でなんとか勝てるようになっているのが素晴らしい。一人を囮として突っ込ませて、死ぬまでの1ターンで形勢を逆転させるようなバトルが何度もあり、近年稀に見るシビれを味わうことが出来た。

ノーマル以下だとあまり考えなくても勝てちゃうので、本作の醍醐味を味わうにはちょっと物足りないかも。なお、ハード・ノーデスは人間の所業ではない。

・1周目ハードがめんどくさ楽しい
本作の特徴としてレベルの違いによる個人の戦力差が戦術で埋められないほど大きいため、初期レベルクリア!とかは非常に困難と思われる。結局レベルを上げて物理で殴るしか打開方法が無い場合が多い。

なのであえて縛るまでもなく
とりあえず次のバトルに挑む→ボッコボコにされる→レベルを上げる→ギリギリ勝てない→装備・スキル・戦略を検討する→なんとか辛勝する
という状況に陥り、この試行錯誤が本当に楽しい。1周目ハードで100時間かかった。自分で縛らなくてもこのくらい難しいのは珍しい。これが出来ただけでプレイしてよかったと思える。

こんなんでもうまくやれば勝てる

悪かった点

・初心者仕様
魔法や特技は味方を巻き込まない、魔法は奥義を除いてチャージタイム無し、1ターン詠唱は即効薬等で即発動できるなど、総じて初心者向け仕様となっている。ちょっとぬるいかな。

・ストーリーの進捗に応じた実質的なレベルキャップがある
難易度ハードでも上限に達する前に勝てるので問題は無い。あえて上限ギリギリでなんとかなるように設定してある難易度調整はお見事。が、逆に考えるとレベルを上げきってボコボコにするようなプレイスタイルをシステムで制限しているということ。レベルの縛りはプレイヤーの意思で出来るようにしても良かったのかなーと思う。

・成長の幅が狭い
オクトラのようなジョブは無く、キャラ個性・固有スキルのみ。敵が使ってくるスキルは使えないものが多く残念。キャラクターの特色が変わりづらいため、後半は火力と耐久力が無いと使いづらくなってしまう。次回作はジョブチェンジ出来るようにならないかな。

・総じてストーリーがガバガバ
新鉱山の奥にあったものはなんだったのか?なぜエスフロストは突然侵攻してきたのか?この状況を打破するためにはどうすればいいのか?など、要所要所で厳しい決断を迫られるストーリーは非常に読み応え・やり応えがあった。
ただ初見プレイ中ずっっっっと気になっていたのが
「こっそり新鉱山見に行けば良くね?」
という点で、見に行こうとする素振りすら見せないのはちょっと意味不明だった。

また、塩の密輸がバレたら逆ギレして殺しにかかるし、エスフロストの船を爆破するのにそんなに大人数で行ったら当然バレるし、散々争ってきたエスフロストに共闘持ちかけるとコロッと了解もらえるしで、ちょっと無理があるんじゃないかなーという展開が散見される。

隠密行動にしては人が多すぎませんかね
ですよね
王国の行く末を決める重要な作戦で油断すんなし

・AIもガバガバ
戦闘におけるキャラクターAIはかなり優秀なものと思われる。的確に弱った味方を攻撃してくるため、適当にやっているとレベル差があっても普通に負ける。

のはずなのだが、各戦闘における雰囲気を重視しすぎたためか
①あるターン数まで動かない
②一定の数がやられるまで動かない
③特定のマス(主に水辺)を踏まない
④ある程度距離があるとこっちに来なくなる
などの行動条件設定がなされている場合が多く、出撃キャラ数の割に攻撃が薄くあっさり勝ててしまうこともしばしば。また、屋根に登ると誰も追ってこないので弓を打っているだけで勝てることもある。
バランス調整が難しいところだが「ん?」と思うようなところがところどころに見られた。

・実はあまり戦略性がない
ストーリー上不利な展開が多いとはいえ、地形の恩恵を授かることがほとんどできない。基本的に低地に味方、高台に敵というシチュエーションが多く、弓兵が本当にストレス。逆のパターンもあるが、そういうときは敵だけの高低差無視や水平ジャンプ+のスキルを用意されているのでやはり不利。敵も味方も同じスキル使うから戦略になるんであって、敵だけ適応した能力にされたらあまりおもしろくない。敵を地形にハメて一網打尽にしてやったぜぇ、みたいなこともしたかった。

・登場人物や勢力が多くストーリーがくどい
音声まで聞いていたら30分経っても次のバトルにならないこともしばしば。でもしっかり聞いておけばどんどん話に引き込まれていくので、人物説明を含めキッチリ読むことを推奨する。2週目以降はある程度スルーできるので楽。

攻略メモなど

・セレノアルートにおける分隊の難易度
ウォルホート(火計不使用)>エスフロスト>ウォルホート(火計使用)>ハイサンド
なので、火計を使うかどうかで戦力バランスを考えるとよい。火計を使うのであればエスフロストに全力、使わないのであればウォルホートに1軍を入れエスフロストはグスタドルフのみを叩ける程度のバランスで。ハイサンドは塩湖にあまり入ってこないので、桟橋の両端を塞げば各個撃破できる。

・周回の回数について
最低2週はやったほうがよい。1周目は攻略方法を見ずに自由に進め、2周目はセレノアルートに進むようにすると効率が良い。
もし4週するつもりなら初めからルート分岐を確認しないと、最悪5週する羽目になるので注意。
というのも、第15話が4分岐しておりそれぞれ別のキャラが仲間になるのだが、本筋に特によく絡むコーデリアまたはミロのルートに行くと本作のキーポイントである岩塩の秘密が「って手記に書いてあったわぁ」であっさり終わってしまう。一方岩塩の秘密が暴かれるオルレアの手記のルートに行くときっちり秘密が明らかになるものの仲間になるのが盗賊一家なので話の流れ上しっくりこない。
なので、全キャラ加入+セレノアルートを目標に4週するのであれば分岐の条件をきちんと確認してダブりが発生しないようにしないと5週目が始まる。

・各周回の攻略方針について
1周目
スキル強化の順番が大事。アクセサリーが整わず防御力が上げづらいので、攻撃力に振って殲滅力を高めたほうが良い。
2周目
だいぶスキルが揃っているので、アクセサリも活用しつつレベルを上げて殴ることになる。各戦闘の様子も分かっているので攻略は一番楽。
3周目
レベルが上限に達し、且つスキルもほとんど取れてしまっているので、立ち回りが非常に重要となる。ここが一番難しい。
4周目
アイテム、アクセサリが余ってくるので逆に作業ゲーと化す。

・ハード・デス有りの基本戦術
①地形で嵌める
特に序盤はヒューエットで屋根に登ると一方的に攻撃できるマップが多い。崖を迂回してこない、一定距離を取ると寄ってこないなどAIがややアホなので、逆手に取って各個撃破をするように持っていくと楽が出来る。

②集まる
初期配置で分散させるのは罠。まずは全員集合すべし。回復魔法はジーラ(後半はコーデリアも)しか出来ず、回復アイテムも数量限定&高価なため、ダメージを受けないことを考えると良い。特に敵前衛は突出した味方を袋叩きにする傾向が強いため、点ではなく面で陣を広げていく必要がある。基本多勢に無勢(味方MAX10人程度に対し敵は増援含めて2倍は来る)ので、単独先行するとだいたいボコボコにされる。

③数を減らす
敵の行動回数を減らすべく、とにかく頭数を減らすことを考える。魔法は単体用を強化する。足止め、睡眠、トラップ等を活用する。沈黙は魔法使いが逃げるので罠。行動選択の時に対象が自動で選ばれるが単純にダメージが通る相手を選ぶので、行動順を良く見て対象を選び直すこと。

④味方を殺す
ハードの推奨レベル前後だと、誰かを差し出して時間を稼ぐ必要が(ほぼ毎回)来る。オトリを前に出して体制を整える。

⑤レベル上げはストーリーバトルで
その段階で一番敵のレベル高いため、効率よく稼ぐことが出来る。FF6のように、負け又は撤退でレベルだけ持ち越すことが出来、使用したアイテムは戻ってくる。レベルが低い味方もマップの隅で適当に行動してれば推奨レベルまですぐ上がる。

⑥スキルツリーの「武器威力」は魔法にも適用
分かりにくい点だがこれ大事。知らなくて苦労した。

⑦長所を伸ばす
短所をカバーするよりも長所を伸ばしたほうが有効に戦える。筋力、魔力を上げて殲滅力を上げる、回避を上げてオトリになる、速度を上げて回復に回るなど。ハードの場合苦手な物防・魔防をアクセサリで上げても、3発は耐えられないことがほとんど。

キャラクター寸評(ウォルホート)

・セレノア
めっちゃ強い風見鶏。ノゼリアに武勇を轟かせるヒヨちゃん。設定上やむを得ないのだが、困った時は天秤頼りの男。旦那にすると苦労しそう。真エンドの決断だけはカッコよかったかな?攻撃力があるので前線に出されるが故に良く死ぬ。

・フレデリカ
ローゼル族至上主義者。炎系術師なのに湿っぽくて重い。浮気したら尻の毛まで燃やされそう。晴天が多いので魔法の威力が強化されやすく強い。出撃必須。

メガトン構文

・ロラン
こいつも別の理想論信者で、ナヨナヨしてて終始うざい。少なくとも王の器ではない。そして弱い。一撃が軽く、2体同時攻撃のアドが弱いこのゲームには不向き。

・ベネディクト
本作の主人公。フレデリカルートでの慟哭が熱い。今流行りのBSSを地で行くナイスミドル。でも弱い、いなくても勝てる。

シブいわぁ

・エラドール
シモンの腹心の割には影が薄い。セレノアの出自を知らされてないし、シモンの死に際にも立ち会わせてもらえない。魔法で即死する。挑発が便利なことに後半気がついた。

・アンナ
主人公の嫁。うちに来ていいぞ。ぶっきらぼうに見えて面倒見が良いらしく、変な奴らとよく絡んでいる。序盤の要。移動技が欲しかった。

・ヒューエット
将来目が覚めてロランではなく普通の男と結婚しそう。足止め矢一本で戦地を渡り歩く猛者。飛行弓キャラって序盤に出していいやつ?

・ジーラ
やはり影が薄い。ウォルホート家で一番酒に強そう。出撃必須キャラ。回復マシーン。

キャラクター寸評(エスフロスト、ハイサンド)

・グスタドルフ
本作品のヒロイン。ポンコツ。ガソリン切れ。最初の切れ味はどこへやら。ロランの偽装死をまるごと信じたり、フレデリカのローゼル解放を予想していながらスルーしたり、盗まれた本の対応とか、雑すぎない?岩塩の存在は予見していた!とか言いながら塩の使い道…?ってへちょい。最後は己の野心に従って討たれるのは潔い。以下可愛いグスタドルフさんをお送りにします。

だからポンコツって言われるんだよ
バンザイしてるの可愛い

・ドラガン
本作の戦犯。死ぬ前に「岩塩みーつけた」って言ってればこんなことにならなかったんだよ。ストーリーに違和感が残る理由のひとつがこいつ。

・タラース、エリカ
小物臭が半端ない小物。特にエリカさん無職ですよね、ボマー見つけたとか言ってないで働け。

・イドー
本作の黒幕。女神教の思想や言いたいことは、すごくよく分かる。グリンブルグに「恩」が存在しない事を知らなかった。せっかく援助したのに仇で返されまくっててちょっと可哀想。

すっごいよく分かる

・エグスアム
ナルシスト。いつも見えないところで頑張ってて偉い。ロランルートで共闘するが展開が普通過ぎて記憶に残りづらい。それ以外のルートでは相対するも残念ながらストーリー上最後に出てくる敵はボコされる運命にある。なんかとてももったいない。

・ライラ
マッドサイエンティスト。赤い目玉のホルマリン漬けとか好きそう。ヨダレ垂らしながら解剖してそう。時魔法使ってきたから「ん?」って思ったけどあいつの母親だったんかい。

・カンセル
ハゲ。塩湖で戦ったがために蜂の巣にされたハゲ。雷が効かないのは髪がないから…?

・ソルスレイ
デブ。すぐ死ぬ。

・エニグマ
何をしてるのかわからないひと。良く死ぬ。

キャラクター寸評(挿話キャラ)

・コーレンティン
凍結地面の上で魔法を撃ち続ける固定砲台と化すハイサンドのバケモノ。人間を半分凍らせるとどうなるのか研究してそう。

・コーデリア
その場に留まってTP回復と射程+1で回復魔法を撃ち続ける固定砲台と化すグリンブルグのバケモノ。国民の非難で心を壊して回復魔法で拷問とかし始めそう。

・アヴローラ
コーデリアに忠誠を誓うシーンは本作屈指の名シーン。これを生かすルートが欲しかった。敵にすると恐ろしいが味方にすると頼りない。アタッカーの割に遠距離攻撃が無く、前に出るとすぐ死ぬ。

一番好きなシーン
こちらのカットも好き

・マクスウェル
お前は今まで食べたパンの数を覚えているか?

・メディナ
めっちょ可愛い。そしてTP回復が超便利。

作中のスクショなど

ベネディクトルート
フレデリカルート
ロランルート
こっちのカットも好き
ちょっとグスタドルフに似てる
ジジイの本当の姿
初めて見たときに背筋が凍った
結婚式できて良かった

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