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近代政治哲学を読んだ。

如何にも難しいタイトルだが、書いてる内容は難しいが文体が平易で読みやすかった。何故読もうかと思ったかといえば自分が少なからず政治に興味があるからであり、政治ってそもそも何なのかを自分なりに知りたかったのと考えたかったからだ。

政治とは何か?と自分なりに短く答えるなら国の富の分配とルール作りを地域の代表が決めていくと答えるんだけど「富」にしろ「ルール」にしろ多岐にわたるし、国が定めたルールが自分にすべて直接関連してくるかといえばそうでもない気がするので、大きな枠で政治の変遷を知りたく手に取った。すこし話が脱線するが取り合えず手早く知りたい分野があって概観を掴むなら新書を読むのがベストだと感じる。最近労働と人付き合いで疲弊してるがなんとか時間を振り絞って何かしらの記事を書いていきたい。前回もそんなこと言って記事を書かず放置してたが。。

はなしを本書に戻します。タイトルが如何にも仰々しいのですが、近代とは16世紀以降を指します。なので大体いまから500年前まで遡ります。分野によっては若干違うんでしょうが近代とは概ねその程度むかしです。そして政治哲学とは、政治の辞書や定義と考えればいいです。(あくまで自分なりの解釈)要は本書は近代の政治がどのように作られていき、どのように考えられていったかを当時の優秀な学者を例に出し、わかりやすく解説した本です。

出てくる学者は「ジャン・ボタン」「トマス・ホッブズ」「スピノザ」「ジョン・ロック」「ルソー」「ヒューム」「カント」なのですが、近代の政治に興味ないと誰コイツラ?だと思います。実際自分も全員は知らなかったですし個人的にはそれでいいとおもいます。暗記ってとても怠い行為ですし、大事なことなら覚えようとしなくても自然に覚えるますから。しかしながら、小難しい本って読んでてかったるいんですが、僕自身は読んで損はなかったと思いました。少なからず国家や政治について考えるきっかけになりましたし、頭良いなコイツラとなったので自分が本書を読んで重要な概念だなと感じたところを紹介してこの記事を徐々に締めていきます。

この本を読み進めていくと自然権や自然状態という概念がよく出てきます。この概念を教科書で読んだ気もするのですが自分は自然状態や自然権の意味をまったく覚えてなかったので紹介しておきます。


自然権とは、人間が生まれながらにして持っている権利のことです。自然権の具体的な内容については、さまざまな考え方がありますが、一般的には、以下のようなものが挙げられます。

生命権:生きる権利
自由権:自由に行動する権利
財産権:財産を所有する権利
平等権:すべての人が平等に扱われる権利
自然権は、人間の理性や良心にもとづいて、自然法によって保障されていると考えられてきました。

自然状態とは、国家や社会が存在しない状態のことです。自然状態においては、すべての人が平等であり、自然権を行使することができます。しかし、自然状態は、常に戦争状態にあるとも考えられており、自然権が侵害される危険性もあります。

BARD

上はグーグルの提供するAIでBARDに訊いた結果なのですが、これらがどのように考えられてきたのかを詳らかに書かれてます。500年前ですが、たしかにこれらは人間が社会を形成する上で重要な要素だなと直観的にも経験則てきにもわかりますし権利という概念がなければあらゆる物事が成り立たなくなるのが容易に想像がつきます。

たとえば、選挙一つにしても選挙権がないとすれば形式だけとはいえ一応民主的な選ばれ方をしてる日本の政治が更に世襲が跋扈してひどい政治になるのが予想されます。すこし本題と違いますが個人的には世襲が悪いというより、選挙区と支持母体を引き継いでるのがダメな気がします。すこし脱線しましたが、権利はやはり世の中の安寧を作り出すのに一役買ってるとしか思えません。

自然状態とは、上の例に付け足すなら人間以外の生物を想像するのがいいでしょう。人間以外の動物は国なんて概念なんてありません。せいぜい自分が移動できる範囲です。そして、体のおおきさや毛並みなど若干の差はあれど大きく違いはないです。つまりは生物の個体に差はない。平等だよね、我々は大きなちがいはない人間だよねという考え方です。

この二つの考えを軸にどう政治がブラッシュアップされていったかが論じられている印象だったのですが、最期の章でカントが指摘していた民主主義の盲点がなかなかに考えさせられる内容だったので紹介して終わります。

民主主義を雑に紹介すると、主権者(国民)の一番不満が少ないあるいは、求めているルールを作る制度でその国の各地域の代表者を選挙で送り込み議会で全体にとって一番良いルールを決めることを指す訳ですが、これは『言葉の元来の意味』に基づくと不可能だとカントは指摘します。どうゆうことかというと、主権者とは国民です。国民という事はすべての人間ということです。つまりすべてのひとがトップであり、すべてのひとがリーダーという事です。これは組織ではありえないですよね。みんな立場が一緒のチームなんてありえません。スポーツでいえばチーム全員が監督です。成り立つ訳がありません。

この指摘は正直思いもよらなかったです。ぼくも熱心に政治を追ってるわけではないですが、どう考えても国民の利益というより仲間内の利益でやってるよねという例はよく目にします。記憶に新しいところでいえば、オリンピックやる意味ないだろと冷ややかな目で見てましたが、一応は手続きを踏んで選挙で選ばれた人たちが議会を通して、可決してるので一見民主的に見えますが、そもそも成立してない制度で運用してるんだから、不平や不満が生まれるのは当然なのかもしれんなという考えに自分は及びました。

あまり上手に紹介できた気はしませんが、一応自分もある程度大人な年齢なので政治のことなども論じられるように精進していきたいです。おしまい。








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