_05a.デマ_

情報の信頼性を考える(デマ問題-補講①)

「“”手に“”論文を書く」人、“勝小”です。
(当noteの前提・諸注意等については、こちらの投稿をご参照ください。)

デマ問題の補講を始めましょう。

問題と関連記事の保管先

【問題】

「デマ」に対して社会及び個人はどうあるべきか、あなたの考え方を述べなさい。
(勝小自作)

分析編> ⇒ <解答編> ⇒ <補講①:今ココです>

デマとガセ

デマ:デマとはデマゴギー(独: Demagogie)の略で、本来は政治的な目的を持って意図的に流す嘘のことであり、転じて単なる嘘や噂、流言などを指すこともある。前者の意味のデマを流す人物のことをデマゴーグ(独: Demagog)という。噂や流言は、しばしば(前者の意味での)デマゴギーだったのではないかと捉えられることがある(陰謀論の項も参照)。1990年代後半以降は、インターネットにあるブログや電子掲示板やSNSから広まる事例も増えている。
-Wikipedia先生-
ガセネタ:ガセネタとは、偽情報、事実と異なる嘘の内容からなる情報のこと。嘘の情報、作り話。ガセは、もともと偽物という意味で、人騒がせ(ひとさわ「がせ」)からきたという説がある。ネタは商品という意味の種(タネ)が語源といわれる。もともとはインチキな商品という意見。怪しげな商品を扱う的屋の隠語だったという説もある。後に、ネタという言葉が警察やマスコミ関係者の間で「情報」という意味で使われるようになり、ガセネタも「偽情報」という意味で、一般でも広く使われるようになった。
-Wikipedia先生-

“デマ”は発信者が偽情報であることを知りつつ意図的に流すものであり、“ガセ”は発信者(拡散者)自身が情報の真偽をわからないまま流すもの。と、区別されているようです。
参考:毎日新聞 -コトバ解説-

本問では特にデマとガセを区別することなく出題をしています。

解答の補足

デマから始まる銀行取り付け騒ぎ:Wikipedia先生の解説文の中にも例示されている「信用金庫の流言事件」をイメージしています。

高校生の電車内の「信用金庫は(強盗が来るかもしれないから)危ない」という会話がきっかけで、多方面に当該信用金庫の信用不安を煽る噂話が拡散したようです。その噂話が取り付け騒ぎ(*1)にまで発展したことで大きな社会問題となったようです。

(*1)銀行等の預金取扱金融機関は、全預金を“現金”として保有しているわけではないため、“直ちに”金融機関の“全預金”を現金化し預金者に払い戻すことはできない。そのため、同時に多数の預金者が多額の現金化を要求した場合は払出業務の混乱に加えて当該金融機関の経営状況が悪化する。

前述の“デマ”と“ガセ”の定義で言えば、発端となった高校生や噂話を曲解し拡散した預金者等に明確な意図があったわけではなく“ガセ”に近い話であったかもしれません。

デマを流すことで経済的利益を獲得:例えば、以下のようなことが考えられます。

・とある上場企業に悪影響を与えるデマを流し、株価を下落させる。
⇒デマを流す前に空売りをしたり、株価が下落した際に現物買いをして株価が回復した際に売却することで、利益が得られる。
(※:金融商品取引法上「風説の流布」とされる犯罪行為です)

・とある商品が不足するデマを流し、供給不安を煽る。
⇒デマを流す前に商品を買い占め、供給不安が起きた際に高値で転売することで、利益が得られる。
(※:投稿日現在、マスクの転売は規制されています)

信頼性のある情報の発信者を登録制にする:後述します。

発信者の登録制(妄想)

目的:個人が流れてくる情報の真偽を判断するための補助とする

方法:下記ルールを新設し、運用する。
・一定の基準(*2)を満たした情報発信者に登録証を発行する。
・登録済であることを、情報発信者は公表することができる。
・一定の基準を満たさなくなった情報発信者は登録を取り消される。

(*2)一定の基準の例:
・発信する情報の真偽を独自に検証する能力が一定程度あること
・真偽の検証結果を常に発信する情報に添付していること
・発信した情報に誤りがあった場合は直ちに訂正情報を発信していること
など
・解釈や主張が分かれる議論については、その旨を注意喚起していること

問題点:
・登録審査基準の設定が難しく、形骸化する可能性が高い
・登録審査機関の公平性を担保する必要がある
・審査機関を維持運用するためにコストが必要となるが、「登録審査料・更新料」や「違反者罰則金」のみではおそらく足りない
・「登録審査料・更新料」を払ってまで登録するインセンティブが情報発信者にはないかもしれない

問題点だらけなので、実現はしない気がしています。
ただ、“情報の信頼性”が今以上に価値を見出す世の中(一般個人が日常的に情報を“有償で”手に入れるような世の中)になった際には、検討の余地が出てくるかもしれません。

発信者の信頼性をスコアリング(妄想)

目的:情報発信者(個人SNSを含む)の信頼性を数値化し、差別化する
(不確定の速報よりも正しい情報が評価されるような土壌にする)

方法:評価を希望するアカウントに対して下記ルール(例)で数値化し公表
・正しい情報を発信してたときは加点
・誤った情報を発信したときは減点
・時の経過で陳腐化した情報が、注意喚起等がないまま掲載し続けられているときは減点
・重大なデマを流した(拡散含む)回数が記録され公表される
(発信した情報を消しても、当該回数は減らない)

問題点:
・だれが評価するのか(おそらくAI的なものが担う?)
・スコア稼ぎのノウハウが蔓延し実効性が無くなる可能性もある
(毎日、ちょっとした正しい情報(例えば、気象庁公表の天候データ等)を発信すれば信頼性スコアを稼ぐこともできる?)
・評価を導入するメリット(評価ツールの開発コスト等が回収する手段)があるか?

導入するハードルは高い一方で、世の中に受け入れられる可能性は高くないので、実現することは難しいと思います。ただ、“フォロワー数”や“(いいね等の)アクション数”に加えて“信頼性スコア”がもてはやされる時代が来ると、また変わった面白さが出てくるかもしれません。

(ガセネタをフィクションとして楽しむ分には構わないと思います。その存在は残したままで、正しい情報と適切な棲み分けをしたらどうかという思い付きです。)

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