M-1 視聴者投票論について語ってみる

みなさん、こんばんは。
M-1グランプリはお好きですか?
私は大好きです!
1年のテレビの中で1番楽しみにしている番組です。

年末の風物詩であり、世間の注目度も高いように感じます。
そんなM-1グランプリには、様々な視聴者の声があるようです。
そのひとつが、「視聴者投票で決めるべきでは?」という声です。

みている人が面白い漫才師を決める。
とても分かりやすい審査方法だと思います。そして、「M-1グランプリ=若手漫才師の日本一を決める大会」と考えたときに、視聴者(日本全国のお客さん)が優勝者を決めるというのは、しっくりきます。

ただ、私は「M-1グランプリは今のままがいいな」と思っています。
もう少し詳しく言うと、
「視聴者投票制の大会があってもいいと思う。だけど、M-1グランプリは今のままがいいな」
ということです。

そう考えるのには、当然、理由がありまして、
少し語らせて頂きます。

私がM-1グランプリを楽しみにしている1番の理由は、
「お笑い界のレジェンドの審査が見られるから」
なんです。
「日本一の漫才師になる芸人さんは誰か?」というのは、私としては二の次なんです。(M-1グランプリに人生をかけて臨んでいる芸人のみなさま、ごめんなさい…)

これから新しく視聴者投票の大会をつくることは、可能なのではないかと思うのです。
しかし、上沼恵美子さん、松本人志さん、オール巨人さん等々、お笑い界のレジェンドを審査員として揃えることのできる大会は、M-1グランプリの他に出てこないのではないかと思うのです。

私はお笑いの素人ですので、想像でしか言えませんが、
「お笑い界では、芸人さんがお笑いを審査、批評することは御法度」
なのかもしれません。
なぜなら、お笑いを真面目に批評しても笑いにつながらないからです。
また、批評をする中で、「笑いを取るメカニズム」を語ることになってしまいます。これは、マジシャンがマジックの種明かしをするのと同じことなのかもしれません。

実際に、漫才に関して、お笑い界のレジェンドが審査するのは、1年間を通してM-1グランプリ以外に、私は見たことがありません。
そして私は、今後もM-1グランプリ以外存在しないのではないかと思います。

仮に、M-1グランプリを終了して、新たな大会をつくったとします。はたして、M-1グランプリ審査員の方々が、そのまま審査員を引き受けて下さるのでしょうか?
私はNOだと思います。

では、
「なぜM-1グランプリでは、お笑い界のレジェンドが審査をしてくれるのか?」
ということですが、これには大きく2つ理由があると思います。

1つは、「島田紳助さんが発案した」という事実です。
お笑い界、漫才界の先頭を走ってこられた島田紳助さんが発案し、第1回から松本人志さんが審査員になるなど、当時すでに存在した漫才コンクールとは明らかに一線を画したものとしてスタートしたように思います。

そしてもう1つは、歴代優勝者の優勝後の劇的な活躍です。
歴代優勝者はどのコンビもいまや、お笑い界の先頭を走っています。
この歴代優勝者の活躍の積み重ねが、
「M-1グランプリから毎年スターが生まれる」という説を確立し、
世間が認める大会となったように思います。

こうした、「明らかに他の漫才コンクールとは違う」という「箔」が、お笑い界のレジェンドを審査員に揃えることを、可能にしているのだと思います。

「M-1グランプリにはM-1グランプリにしかできないことを、突き進んでいって欲しいな」と、私は思います。
先ほど、「お笑い界では、芸人さんがお笑いを審査、批評することは御法度なのかもしれない」と書きました。
しかし、1人のお笑いファンとしては、1年に1回くらいはこの「御法度」を見たいのです。お笑い界のレジェンドがこの「御法度」を犯す唯一の場が、M-1グランプリだと思うのです。
「どの審査員の方が、どの芸人さんを評価するのか?」、見ていると、素人ながらに大変興味深いものがあります。(それはまた別のお話で…)

みなさん、いかがでしたでしょうか?
冒頭にも述べました通り、私は視聴者投票の大会を否定していません。
むしろ、「M-1グランプリと視聴者投票の大会と、1年に2つあるのは面白いかも」と思っています。
プロが面白いと思う笑いと、お客さんが面白いと思う笑いの違いなんかが、見えてくるかもしれません。

以上、1人のお笑いファンの戯言でございました。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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