天気予報
「今日の天気は、晴れです。最高気温は、25度です。最低気温は、15度です。湿度は、50パーセントです。風速は、5メートルです。」
毎朝、同じようにテレビの天気予報を聞いていた山田さんは、ある日、不思議なことに気づきました。
「なんだか、最近、天気予報が当たっていないような気がするんだけど・・・」
山田さんは、テレビの画面を見て、首をかしげました。
「昨日も、晴れと言っていたのに、雨が降ったし。今日も、晴れと言っているけど、空は曇っているし。」
山田さんは、テレビのリモコンを手に取りました。
「もしかして、このテレビが壊れているのかな?」
山田さんは、チャンネルを変えてみました。
「今日の天気は、晴れです。最高気温は、25度です。最低気温は、15度です。湿度は、50パーセントです。風速は、5メートルです。」
どのチャンネルも、同じ天気予報を流していました。
「これはおかしい・・・」
山田さんは、テレビを消して、外に出ました。
外は、やはり曇っていました。
山田さんは、近所の人に声をかけました。
「すみません。今日の天気予報って何でしたっけ?」
「え?晴れですよ。最高気温は25度ですよ。」
「そうですか・・・」
山田さんは、不安になりました。
「みんな、同じことを言っている・・・でも、明らかに晴れていないじゃないか・・・」
山田さんは、自分の目がおかしくなったのではないかと思い始めました。
そこへ、突然、大きな音が鳴り響きました。
「ブゥーーーーーーーーーーーー!!!」
空から何かが落ちてきました。
それは、巨大なスクリーンでした。
スクリーンには、「ご視聴ありがとうございます。これで本日の放送を終了します」という文字が表示されていました。
そして、スクリーンの裏側には、「実験成功!人工現実プロジェクト完了!」という文字が表示されていました。
山田さんは、呆然と立ち尽くしました。
「これが・・・本当の現実だったのか・・・」
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