マガジンのカバー画像

創作

8
フィクションです
運営しているクリエイター

2018年4月の記事一覧

劣性の遺伝子くん

「僕は、劣性の遺伝子くん。自分でくん付けするのもどうかと思うが、単に『劣性の遺伝子』だけでは、なんだか教科書に出てきそうな堅苦しい感じがするので、自分でそう呼ぶことにしている。僕はさまざまな情報を持ったうちのひとつで、きみの思考の一部を、内側から請け負っている」

体内にもて余したエネルギーがふとしたはずみで外側に発露しそうになるとき、遺伝子くんはわたしに語りかけてくる。

「ああ、きみは今日

もっとみる