不破健富/金剛禅総本山少林寺東京桜台道院長

金剛禅総本山少林寺東京桜台道院の道院長です。 無限の可能性をもつ子どもたちがこれからを…

不破健富/金剛禅総本山少林寺東京桜台道院長

金剛禅総本山少林寺東京桜台道院の道院長です。 無限の可能性をもつ子どもたちがこれからを生きるヒントになるよう、道院の法話でお話したことを中心にまとめます。 所属拳士の保護者のみなさんがお子さんとの会話するキッカケになる記事を書きます。

最近の記事

挑戦・成功・失敗の関係について

年の始まりには、少年部の拳士みなに今思う「夢や目標」を書いてもらっています。夢や目標については以前、目標を持つことの大切さでも書きましたように、自分の目標を自信を持って掲げてほしいと思っています。 ただ、夢や目標を掲げただけではなくさらにその先どうしていくと夢や目標に近づけるのか? 今回は、そんなお話をさせていただきました。 少年部の拳士達に向けてメッセージしたことをまとめていきます。 お子様との会話のキッカケになれば嬉しいです。 挑戦について 少林寺拳法の目指す人間像

    • 組手主体(くみてしゅたい)

      7月のテーマは「組手主体」でした。 少林寺拳法の修行は二人一組で行うことを主たる修練の形としています。 これを組手主体(くみてしゅたい)といいます。 目の前の仲間と一緒に稽古するということは、「協力/助け合い」の形の一つだと捉えて修行における大切な考え方です。 稽古の中で学ぶ協力 少林寺拳法の修練は攻者(攻撃をする人)と守者(守り反撃する人)に分かれて行いますが、両者が真剣な気持ちで取り組まなれば良い修練は成り立ちません。 攻者が真剣に攻撃をして、その真剣な攻撃を守者が

      • 守主攻従(しゅしゅこうじゅう)

        6月の法話のテーマは「守主攻従(しゅしゅこうじゅう)」でした。 守主攻従というのは、少林寺拳法の6つの特徴の中のひとつです。 「守りが主であり、攻撃はそれに従うものである」と読むことができます。 ではなぜ、守りが先であり、攻撃が後なのでしょうか? これは少林寺拳法の考え方がベースになっているからです。 子ども達には次のように伝えています。 少林寺拳法の技術は、人を傷つけるためのものではなく、自分の身を護り、人を護るための技術。人を傷つけるために自分から手を出してはいけ

        • 宗道臣の志

          5月の法話のテーマは「宗道臣先生の志」でした。 少林寺拳法は「宗道臣という一人の人間の志」から生まれた道です。 保護者の皆様にも、少林寺拳法を創始した宗道臣という人物がどんな人だったのか、ぜひ知っていただきたく、少年部拳士と学んだ内容を中心にまとめます。 全てはたった一人の志からはじまった 宗道臣先生の志は、一言でまとめれば「人づくりによる国づくり」です。 戦後、「すべての事が人間によって行われるのであれば、本当の平和は正義感と勇気と慈悲心の強い人間を一人でも多く育てる以

          リーダーにチャレンジしてみよう

          今月の少年部法話のテーマは「リーダー」でした。 稽古の中でお話したことをまとめたいと思います。 ご家庭でのお子さんとの会話のキッカケになれば幸いです。 リーダーにチャレンジしよう 少林寺拳法は、修行によって自分自身を鍛え、頼れる自己をつくり(自己確立)、周囲の幸せを考えて行動することのできる人間(自他共楽)を目指しています。 これはよきリーダーの姿と重なります。 東京桜台道院で学ぶ拳士たちには、様々な場面で求められるリーダーにぜひチャレンジしてほしいと思っています。

          目標を持つことの大切さ

          2020年最初の稽古はそれぞれの拳士が、今年の目標を色紙に書き、みなの前で発表することからスタートしました。 目標に自信を持つこと自分の心の中にある目標を言葉にするのはちょっと恥ずかしいことかも知れません。少年部の拳士もしばらくは周りの様子を見ながらなかなか書き始めません。心の中で感じている素直な気持ちを表に出すことは恥ずかしいという心理が働くようです。 私自身も、実は特に小さいころから、自分の心の声を表に出すというのはあまり得意な方ではありませんでした。 しかし、自分

          服装・態度・言葉

          これまで、道院での6つの心得として、脚下照顧・合掌礼・作務について書きましたが、今回は残りの3つのについてまとめて紹介したいと思います。 服装(清潔できちんとした身なりをしよう)道衣はきちっと着こなすことが大切です。ときどき紐がだらっと垂れていたり、帯が曲がっていたりすることがあります。気づいたら直ぐに直し、きちっとした身なりで修行に臨むことを伝えています。 態度(気持ちを形にしよう)修練の前に行う鎮魂行では「先生や先輩を敬い、後輩を侮ることなく、協力し合おう」という意味

          生きるためのチカラを育む道院~新しい取り組み、はじめます。~

          入門式・達磨祭先日、東京桜台道院では入門式と達磨祭が行われました。 4名の入門に際し、改めて少林寺拳法創始の原点、そして達磨と少林寺拳法の繋がりについて法話を行いました。 少林寺拳法の修行とは、拳法を学ぶ事だけが目的でなく、この世の中を強く生き抜いていくための力を身に付け、他人を思いやることのできる人間を育てること、そしてそのような「強さ」「やさしさ」「賢さ」を備えた人を育てることで真の意味で豊かで平和な社会を作っていくことが大きな目的であるという原点を確認しました。

          生きるためのチカラを育む道院~新しい取り組み、はじめます。~

          作務(さむ)

          食事の支度や、さまざまな日常の作業のことを禅の言葉で作務(さむ)と呼びます。 作務も修行のひとつ少林寺拳法でも作務を一つの修行と捉えています。道院での稽古は身体を動かして技を学ぶだけではありません。 道院に入ってくるときにする挨拶から始まり、一つひとつの行動がすべて修行の一環なのです。 道院の稽古の前後では必ず全員で道場の掃除を行います。掃除も作務の一部です。作務は修行の一環ですから、ここに年齢や立場といったものは関係なく、皆で協力して行うようにしています。 心も

          大会で大切にしてほしい考え方

          今回は、大会についてどんな心持ちで臨んでほしいのか、について書きたいと思います。少年部の拳士には、6つにまとめて伝えさせていただいています。そちらを引用しながら、まとめたいと思います。 ①結果ばかりが大切なことではない~比べるのは他人ではなく、今までの自分〜メダルや賞状をもらうのは嬉しいこと、 でもそれよりももっと大切なことがある 大会と言えば、1位、2位、3位...と当然結果が伴います。「沢山練習して、良い結果がでた!賞状・メダルがもらえた!」というのはとても大切な事で

          合掌礼(がっしょうれい)

          今回は少林寺拳法の挨拶の基本である合掌礼についてです。 少林寺拳法の道院では、合掌礼で挨拶をします。 合掌礼は、相手を敬い、お互いを認め合う心の表れです。きちんと心からあいさつすれば、自然に姿勢が正しくなり、心も正しくなり、心が通います。相手に敬意を持つということは、すべての人間関係においてなくてはならないことです。 合掌礼にはこんな意味があります。 挨拶はコミュニケーションの始まり おはようございます!こんにちは!こんばんは!ありがとうございます!… 挨拶やお礼なん

          生命の輪 ~Circle Of Life~

          映画『ライオンキング』が大ヒットしています。 私も先日、映画館で観てきました。改めて、本当にいい映画だなと... 実は小さなころから、ライオンキングが大好きでした。 もちろん小さなころから、意味が分かって観ていたわけではありませんが、今観てみても、とても深みがあり、「生命の輪」という大きなテーマを扱っていて本当に深いストーリーだと思います。 劇団四季のミュージカルも3回ほど観に行きました。 命の繋がりを意識する夏合宿では『ライオンキング』を取り上げて「命の尊さ」につ

          脚下照顧(きゃっかしょうこ)

          脚下照顧とは?時々、お寺の玄関にある立て看板でも見かけるこの言葉。 履物をきちっと揃えましょうという意味があります。 『少林寺拳法の修行は、道院の修練だけではありません。毎日の生活の一つひとつが大切な修行なのです。その第一歩となるのが「脚下照顧」です。「脚下(あしもと)を照らし、顧みる」と書く脚下照顧は、常に自分自身を見つめることで、正しい行いを求めていくという意味です。』 2019夏合宿のテーマにしました今回の夏合宿では、脚下照顧をテーマとして過ごしてもらいました。

          いよいよ、はじめます!

          東京桜台道院の皆さんに、少林寺拳法の教えを実生活に活かしてほしい!そんな事をいつも考えていました。身体を動かすことと同じことくらい、教えを学び実生活で実践することは大切だからです。 法話は皆で集まって聞いてもらうことももちろん大切だと思っています。 しかし、時代は令和。 稽古に来るだけでも、みな仕事の都合を付けて来てくれている中、やはり道院では身体を動かしたいもの。 私のお話だけで終わってしまうのも恐縮なのであります... そこで、ブログに近い形式であれば、時と場所