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和紙漉き 6  和紙の加工 I

長い歴史のなかで、和紙はいろいろに加工され利用されてきました。
現在も脈々と、引き継流れ、社会の中に溶け込んでいます。
主な、和紙の加工の世界を見てみましょう。

1.墨流しと染色

 【墨流し】 今、私の現在の興味の一つに、墨流しがあります。
  無患子(むくろじ)という樹木を見つけ、その実を集めました。
  この実には、サポインという界面活性剤が多く含まれ、自然素材の石鹸
  が作れるのです。早速10分から15分水の中で煮ると抽出できます。
  これで洗濯石鹸として使えます。泡はいっぱい立ちませんが、充分、洗
  えます。合成洗剤でもないので、強くなく、体にはいいのでしょう。

無患子の実
中の実を取って外の皮を使う
10分~15分煮る
石鹸液の出来上がり

墨流しは、この界面活性を利用して、墨汁などのコロイド溶液などをはじいて、混ざらないのです。水を張った表面に墨汁や顔料カラーインクを筆先から、落とすと水面に広がります。水面の風を受けて、川の流れのように動き広がるのです。そこへ、水をはじく、無患子の液滴を筆で同様に落とすと、墨とは混ざらずに、はじき模様の形が変わります。後は宇宙の流れに従って、模様が変化します。

簡単な道具
マーブルインクと墨汁、各種筆類、ピンセット
インクが水面を流れて広がっているところ

いい感じの模様が出たときに、和紙を水面にかぶせ、模様を和紙に転写  します。楽しい世界です。

板に張り付けて乾燥
墨汁による短冊へ転写

無患子以外では、石鹸類、松やになど、墨と混ざらず、はじく材料が使  えます。短冊や灯りのシェードの模様つくりを楽しんでいます。

灯りへ
ガラス筒へ挿入

染色
ほぼ、織物の染と同じ技法で染める。
ミョウバンなどの媒染材料で固定する。
草木染は、いろいろな植物の葉っぱや樹皮を使い、発色を調整する。
玉ねぎの皮は見事に黄色になる。桜の皮は美しいピンク色、、、
また、柿渋は型紙でも使われますが、茶赤系のいろいろな色が出せます。
筆者は一番、好きな染色材料です。和紙も丈夫になります。
和紙の場合は、煮だした液を筆などで描画、あるいは和紙をつけてしまう。
これをミョウバンなどの媒染液を塗ると色が変化もして、固定できる。
楽しい世界です。

玉ねぎの皮を煮る
煮だした液
葉っぱ

柿渋
ミョウバン

染アート
作品
作品
ガラスで乾燥
熱板乾燥

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