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ぼくの歩く路(筆者:あおいみかん)

ぼくは今、本来歩くべきみちを見失っている。
そして、白と灰色の中に居たり、ふとすると、木々に囲まれた緑の中に居たり、黒の中に居たりする。

街を歩くと、街の絵に自分の切り絵が歩いているように感じる。
つまり、ぼくは、この現実から切り離されているように思うのだ。
今ここにいるが、周りのみんなとは、違う時空間に存在しているかのように感じ、みんなからは見えていないような気さえする。

生きている。
確かに。
人と話すこともできる。
買い物をすれば、レジの人から話しかけられ、支払い方法を伝え、支払う。
自分が、この社会に存在していることは、間違いない。

だが、みんなとは、少しズレた路を歩いているようだ。
ときどき、路はなくなり、音の無い空間になる。
時は進むことをやめ、その空間を永遠にしようとする。
ぼくは、何もできないと感じ、絶望感をともなった虚無に包まれる。

ハッとして、ぼくは周りの景色と音を取り戻す。
周りは何事もなかったように、ぼく以外がいつもの世界を営んでいる。

ぼくは、どこにいるのだろう。
どこかに、もとの世界に戻る扉がきっとあると信じ、また歩き出す。
どちらに向かって歩いているのか、この路がどこにつながっているのわからない。

ただ、自分を辞めることだけは避けなければならないと、何度も自分に言いきかせる。
そんな時は決まって SEKAI NO OWARI『銀河街の悪夢』が頭の中に流れてくる。

「なんでこんなことになってしまったのだろう」と思う。
だけど、ぼくは、この路を歩かなくてはいけない理由があるのだと思っている。
それがなんなのかは、わからない。
わからないと思うと、急に不安になる。
するとまた、音が消え、あの虚無と名付けた空間に瞬間移動し、なにもできなくなる。

どうしたら、みんなと同じ絵の中に存在できるようになるのかわからない。
切り取られたぼくは、今日も歩く。
どこかにある"扉"を探して。

あおいみかん

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