浅草演芸ホール4月上席~神田伯山主任興行千穐楽
浅草演芸ホールの夜席に行ってきました。
主任は伯山先生。顔付が自分にとってあまりにも豪華だったので、行くことを即決しました。
ちなみに本日の出演はご覧の通り。
元成金メンバーはじめ、松鯉先生に、個人的に大好きな落語家さんの一人、遊雀師匠。
すごすぎる....。
当然客席は二階席までほぼ満員で立見の方もいらっしゃいました。休日とはいえ、講談がトリでこれだけお客さんが入るのはかなり異例なのではないでしょうか。
宮治師匠は最近の真打昇進披露の勢いそのままに、たらちねを演じていましたが、これには大爆笑。
続いて高座に上がった太福さんは、伯山先生の
真打披露パーティーで余興をした際のエピソードをもとにした浪曲をしていて、悲哀を交えた節回しにこれまた大爆笑でした。
柳橋師匠は親子酒。酒を飲み、酔っ払った仕草はまさに至芸。酔っ払った親子同士の滑稽なやりとりが面白かったです。
松鯉先生は寄席でよくかけていらっしゃる玉子の強請りの一席。淡々とした語り口なのに退屈することがなく聴き入ってしまう講談です。時折緊張を解くように冗談を挟んで笑いもとる緩急のつけかたが絶妙です。人間国宝の名に相応しい高座でした。毎年恒例の末廣亭の怪談噺が今から待ち遠しいです。
遊雀師匠は看板のピン。この噺自体私は大好きです。オチを知っているはずなのにめちゃくちゃ面白いかったです。言葉でうまく説明できないのがもどかしいのですが、遊雀師匠の眉をピクピクさせるあの表情がたまらなく好きです笑。笑いは緊張の緩和から生まれると言ったりしますが、遊雀師匠の高座はそれを体現しているのではないでしょうか。落語ファン以外の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、
ぜひ生の高座を聴いてほしい落語家さんの一人です。
そしてトリの伯山先生。千穐楽なので何を高座にかけるか期待していたのですが、「東玉と伯圓」という講談師を主人公とした一席でした。
のちの名人、松林伯圓が若い時分のお話で、東玉という当時人気の講談師の後ろ盾によって江戸で再起を図るというお話で、初代神田伯山が
間接的に出てきます。そのような一席を100年以上の時を経て、当代の伯山先生が高座で読んでいるということに深く感動を覚えました。
伯山先生の高座では、いつもその演出と迫力に圧倒されて固唾をのんで聴くことが多いのですが、今回はそれとはまた違っていて、心にじんわり響くような感動的なものでした。伯山先生の姿を食い入るように見ていたのは言うまでもありません。
今回の寄席も本当に楽しく充実した時間が過ごせました。帰った後もしばらく興奮して寝られなかったです笑。
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