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寄席演芸日記5~桂宮治真打昇進披露目@浅草

桂宮治さんの真打昇進披露興行に行って来ました。本当は末廣亭の披露目にも行きたかったですが、引越しの準備で忙しかったことや倍率が高そうだったこともあり断念...久々の寄席ということもあり、前日からワクワクしていました。


日も昇る前に出発し、演芸ホールに到着したのが、朝7時前。にもかかわらず既に整理券の配布を待つ列ができていました。
(人気を集める宮治さんもすごいけど、早朝の風の冷たい中並ぼうとする落語ファンの方々の熱もすごい...)

定員の中盤ぐらいの番号で入れました。


真打の披露目はやはり高座の飾りが多かったり
祝花があったりと特別感があります。普通の寄席も好きですが、トリまで盛り上げようという熱気が演者から一層伝わってくる気がします。


宮治さんを最初に見たのも浅草でした。もちろん当時は落語に詳しくなかったのですが、観客を引き込むパワフルな高座に圧倒されたのを覚えています。


さて、今回の興行も伯山先生の披露目の時に負けず劣らず最高の興行でした。主任の宮治さんはもちろんですが、今回出演していた方々も熱演が光る高座が多かったという印象です。
以下個人的ハイライトです。

・春風亭昇々さん

小学校受験の面接を題材にした新作落語。出てくる人物がクセのあるキャラクターで面白い。
いつ見ても昇々ワールド全開という感じなので、今年5月の真打昇進の披露目で主任として何を高座にかけるのか楽しみ。

・伯山先生

安兵衛駆付けをやっていました。安兵衛が叔父の仇を討ったことをきっかけに人生がガラッと変わることと絡めて、宮治さんが真打昇進を機に益々大きくなっていくことを祈念するという粋な計らいが伯山先生らしいと思いました。
殺陣のシーンの迫力は生で観ると本当にすごいです。

・桂枝光師匠

上方からのゲスト出演。本当に宮治さんの交流の幅の広さを感じます。上方の落語はあまり聴いたことがないので新鮮でした。終始はつらつとしたハイテンションな落語という感じで、ウケがあまりよくなかったとしても笑いに変えてしまうパワフルさがありました。あまり詳しくないですが、芸風としては桂枝雀師匠に近いかもしれないです。


・桂伸治師匠

演目は「幇間腹」。この師匠はいつもニヤニヤしているのでそれだけでも面白いのですが笑、今日の披露口上でも宮治さんにまったく関係のない楽屋でのスケベな話をしていて思わず笑ってしまいました。弟子の真打昇進の嬉しさが高座での熱演に表れていた気がします。


・桂宮治師匠

笑っていいとものタモリさんのように観客の拍手を止めるのは、もはやお家芸になりつつあります。演目は「お血脈」だったのですか、こんなに脱線ばかりではちゃめちゃなお血脈は聴いたことがありません笑。でもそれが宮治師匠らしくもあり、客席は終始大爆笑で私もますます宮治師匠のことが好きになりました。時折お客さんをいじったり毒を吐いたりしても不思議と嫌な感じがしないのは、宮治師匠の人柄やキャラクターゆえでしょう。次に主任を取る時もぜひ寄席に行きたいです。


ただただ楽しい時間を過ごせて、本当に最高の1日でした。コロナ禍が続く中でも、色々工夫を凝らして寄席を運営してくれている関係者の方々や芸人さん方に感謝です。


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