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アフターコロナ「飲食・小売のリアル」

毎週かかさず見ております、ウィークリー落合についてのまとめと考察です。(放送後から一週間近く経ってしまった・・・)


今回のテーマは【アフターコロナ:飲食・小売業界のリアル】です。
まだまだコロナ真っ只中ですが、これからの小売・飲食業界はどうなってしまうのか?どうしていくべきなのか?ということを討論します。
番組を見させていただいた僕なりの要点をお伝えしたいと思います。

これからの飲食業界はどうなっていくのだろうかと不安に思っている人が大半かと思います。
マスメディアの情報も良いですが、今回は直接現場の方もZOOMで交えて話をするという会でした。

評論家や経済学者などの専門家のお話に加えて最前線で戦っている方のお話も合わさり、落合さんのこだわる「手触り感」のある内容になっております。

登場されたのは
・代々木上原で飲食店sioを経営されている鳥羽周作さん
・逗子市でスナックを経営しているさやかママ
・伊勢丹でデジタルマーケットを担当している仲田朝彦さん
といったバラエティに飛んだ出演陣でした。

私は飲食店経営をしているわけでも小売をしているわけでも無いですが、勝手に纏めさせていただきます。
もしご参考にしていただけると幸いです。

最初にゲストの木川瑞季さんの面白いお話がありました。木川さんは「春水堂」というタピオカミルクティーなどを手掛ける台湾の老舗カフェの経営に携わっている方です。

緊急事態宣言を受けて最中は社員100人とアルバイト700人を全員休ませてた。
驚いたのはマスメディアの報道次第で人の動きが如実に変わるということ。ネガティブな報道、ポジティブな報道(こちらは少ないが)により人の動きが変わり、タピオカ屋の売り上げが左右される。主要な購買層である若者にはあまり影響はなさそうと予測していたがそうでもなかったとのこと。
タピオカで消費者の動きがわかるという面白い話でした。確かに各地にあるタピオカ屋さんの売り上げはまさに人の流れを反映している一種の指標ですよね。

今週の宮田レビュー

最近ほぼレギュラーのような慶應義塾大学教授の宮田裕章教授によるコロナのウィークリーレビュー。

今週は東京アラートが発生。

東京アラートとは
・新規陽性者数が20人より多い
・新規陽性者数における接触不明率が50%より高い
・週単位の陽性者増加数が1より多いという条件のもと発令されます。

第二波なのか?というのは時期早々ですが、油断は許されない状況と言います。
また、北九州クラスターにて学校でのクラスターが発生しました。
心がけなくてはいけないことは仮に感染したことを隠すことがよくないということ。早く見つけて対策を打つことが大事。
そしてクラスターが起きた際は「万全に対策した」上で発生したなら新たな策を打つことが必要。ガードが浅かったなら改めて徹底すること。
この2パターンであると言います。
北九州の件については現在は実態把握をしている状況です。

一足先にいっている北海道も緊急事態宣言解除後に陽性者は増えています。
しかしその後は落ち着いてきていることから再び緊急事態宣言を出さずとも公共衛生の徹底や、ガードを高めていくことによって拡大は食い止められる。
まさにウィズコロナ。
0になることはおそらく無いだろうからワクチンなどの根絶できるツールが出てこない限りはしばらくはこの調子が続くことは避けられない。
**
対してアメリカは??**

全く収まっていない。
今週起きた事件によって各地でデモを3密になりながら行っている。
その傍ら、失業率が4000万人以上。人工の14.7% 黒人が多い傾向。黒人に所得格差か?
コロナによって表面に出ていなかった格差が浮き彫りになってしまった。

日本でも「収入・雇用に不安を感じている人」に業種に格差が

現在の職についてのアンケートを実施。将来への収入・雇用に不安を感じているか。
飲食・小売・タクシー・レジャー・宿泊・美容系が最悪の数値
会社員・公務員はあまり影響無し。特に公務員
営業系はその中間くらい。

また、うつ病にも比例関係が見られる。
特に学生が一番鬱が多い。原因は仕送りが途絶えてバイトもできない等。
そのせいもあってか今は飲食の求人を出すと倍率がものすごい高い。

「7割経済」

経済は再開されたといってもソーシャルディスタンスを余儀なく強いられる。1.5mの感覚のため単純に、飲食。小売は7割しか回せない。
これが続くと長期的に厳しい。
どうしていくべきなのか?

思いつくこととしては
「単価1.5倍」もしくは「コスト30%カット」しかない?

今の日本は単価が安すぎる。世界を見てもランチ数百円はなかなかない。ラーメンいっぱいでもアメリカなら2000円するのが普通。
付加価値をつけて単価を上げていく方が経済的に良いという見方が強いようです。
薄利の商売は3密を生み出すし、ブラック労働になってしまうので今後、資本のあるところを除き、厳しいのでは無いか?
タピオカブームの火付け役である木川さんは薄利の代表である「タピオカブーム」は完全に息の根が止まったと言います。

1000兆円の預貯金。どう動かす?

日本には1000兆円の預貯金があります。
そのほとんどがおじいちゃん、おばあちゃんです。
そのお金をどう動かすか。
若者はおじいちゃん、おばあちゃんにリモートグッズを買ってもらおう。そうすることで眠っている預貯金を動かすことができる。

【鳥羽周作さん】飲食店 sio 代々木上原

緊急事態宣言を受けて最初に考えたこと。
それはお客様が何を求めているか?
お客様あってこそという基本に忠実になることを心がけた。

家で料理する機会が増えるということで再現性の高いレシピを無料公開。
そしてレストランのイズムが通ったテイクアウトを安く提供。
お店だと二人で2万円かかるところを。テイクアウトだと2人前、13500円。単価の低いものでも同じ熱量で料理する。
味を気に入ってもらったお客様にお店にもきてもらえるように。本来のサービスを提供して体験価値を感じてもらう。
**
1000円のテイクアウトだったら1000円を超える感動を提供すること**

そうすることによってお店に来てもらえることが多くなるそうです。

テイクアウトを始めたことで今まで向かい合わなかった層にもリーチ。
いかに美味しくお弁当を作るか研究した。冷めたものでも美味しく。

テイクアウト商品は「名刺がわり」だと鳥羽さんは言います。
まずは価格の低いものでお店の味を体験してもらい、良いと思って頂けたらお店に来てもらう。これまでリーチできなかった小さな子供のいる家族や高齢者や地域の方々にもリーチができたようです。まさに新たなサービスの形と言えます。
コロナが収束しても続けていくようです。
全てはお客様が幸せになるかという軸で考える
そうすることによって決断する迷いもなくなる。

まさにファンビジネスです。
これまでただ味・価格だけ追求して結果的に売り上げが立っていたお店は生き残るのが難しく、お客様とキャッチボールをしながら「お客様の幸せ」という本質を極めていったお店だけが残るということなのでしょう。

How.whatでは無く、whyにこだわれるか。
そもそも飲食店をやっているのはなぜなのか?そこを深く考える必要がありようです。

【さやかママ】逗子市

さやかママは逗子市でスナックを経営しているママです。
5月に入ってからオンラインスナック横丁というスナックのママが登録できるサイトに加盟しました。ZOOMなどのツールを用いてお客さんと接するものです。
初めは想像もつかなかったが、今では需要があることを確信しているそうです。
なんと海外からのお客さんも。
新規のお客さんは圧倒的に増えたようです。
意外にも女性のお客さんが多いようです。なんと7割。実店舗にも来てくれた。女子会にママを加えてといった感じ。普段女性だけだと来づらいですがオンラインだとハードルが下がるのかなといった感覚だそうです。

オンラインスナック横丁ではまずママのプロフィールをお客様が見ることができ、それを見て決めてもらう仕組み。
それもあってか逗子にゆかりのある人が多い。例えば地元が逗子とか。海外に駐在していて普段来れない人も。
まずはオンラインで体験してもらってから店舗に来てもらうという新しい顧客の流れもできそうです。

仲田朝彦さん 三越伊勢丹ヴァーチャルマーケット担当者

仲田さんは三越伊勢丹ホールディングスで社内企業制度を活用し、アバターへのファッション価値やライフスタイルを提案する「仮想店舗とデジタルウェア事業」のトライアルを進めている方です。
百貨店業界はこの先厳しい状況が続く中、ネームバリューを用いたヴァーチャル戦略を探っています。

現在ヴァーチャルマーケットでアバターの服を企画・制作を担当されています。
アバター用の服は予想より20倍売れたようです。
値段はユニクロの20倍くらい・・・・
3人で準備をした。店舗作ってモデリングしてと言う作業。
仮装の服だから限界費用は低い。でも単価は高い。
原価はリアルだとコストかかるが、ヴァーチャルでかかるコストはパソコンに向かう時間だけ。4、5時間くらい。

バーチャルは今までいろんな挑戦があった。しかし倒れてきた。
今回はどうなるか?伊勢丹が加入したことで変わるのか?という問いがスタジオでも上がりました。

仲田さんによるとリアルの世界で百貨店のお客様の平均年齢は48歳。
ヴァーチャルの世界だと10代から30代の層になっているそうです。

リアルでもオンラインでもファッションアイテムは自己実現のためのソリューションであることは間違いなく、特に若い人はオンラインでの自己実現にも情熱があります。

仲田さんも実際にプレイしているそうでなんとも言えない没入感があるそうです。仮想の自分でも自己実現欲求は変わらないそうです。
肉体の制限を出れるというオンラインならではのメリットも。
人間では無く、犬や猫にもなれる。

どれだけ個性的なファッションにできるかがオンラインの面白さ。
ヴァーチャルでも個性的なオートクチュールのニーズがある。

限界費用が低いので例えば学生の頭にあるアイデアをコストかけずにローンチできることも魅力の一つです。
リアルだと「売れる物」を作らないといけないというジレンマがある。
仮想から始まって成功すればリアルに広がっていく。
素晴らしいアイデアがあればどんどん広げられる。
マテリアルの制約もない。
まさにオポチュニティーリッチと言える世界だと落合さんは言います。

顧客の年齢層の高かった百貨店業界でも顧客層のシャッフルが起きていく。

ニューノーマルはノーマルじゃない?

世間で言われているニューノーマルとは今までの方にハマった物では無く、工夫していくこと。
それぞれのスタイルを確立していくこと。
言われたことを守ったら成功する時代ではない。
売るものにこだわるだけで無く、売り方、伝え方にも工夫をという意味になっていきそうです。
型にはまって頑張ればうまくいく、ということではなくなる感じですね。
ますます僕たちは頭を使って本質を攻めていかないと厳しい時代になりそうです。

最後の皆さんの一言

木川さん

「飲食サービスの体験価値アップ」
物では無くコトを重視。
サービス業は潜在的にやりたい人は多いはず。
価値の高い仕事ができれば人は来る。

山崎さん
「選択と決断をせざるを得ない時代へ」
今までは運営することだけ考えていた。

宮田さん
「変える」
食べることを外すことも大事。
日本では味に視点を置いている。空間は爪があまく、改善余地しか無い。3密の温床になっている。
違う物を繋いでいく。アルコールでは無い方法でつながりを。
そして変わるか変わらないかの未来予知では無く「変えるんだ」という意思。このタイミングで変えるんだという意識。

落合さん
「デジタルによるフットワークの変化をエンゲージメントの変化と繋げられるか。さて全体の話はどうする?」
上が椅子取りゲーム何か?それだとゼロサムゲームになってしまう。

本質を見つめ直そう

誰もが一寸先が見えない状況で頑張っておりますが、上手くいっている人の共通点は「本質が見えている」ということではないでしょうか。
繰り返しにはなりますが何を売るか?どう売るか?だけではなく「なぜ売っているか」
改めて本質を考える機会と捉えて考え直すことが必要だと感じました。

長くなってしまいましたが読んでいただきありがとうございました。


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