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最期にくれたもの
「次のテストを落としたら、留年もしくは。。。」
大学最後のテストが2日後に迫った。
就活のため授業に最低限しか出席していないので、授業内容がわからない。
家に余裕はなく、留年するための資金はないため、卒業か退学かの2択の結果がテスト結果でわかる。
「どうすれば」
途方に暮れながらも、むやみやたらに教科書をパラパラめくる。
ブーン、ブーン
スマホが鳴った。
「おばあちゃんが亡くなった。スーツ持ってすぐに実家に来て。」と母から。
大学の事務に連絡を入れ、実家に新幹線で帰り、冷たくなった祖母と久しぶりに再開した。
母から事情を聞き、2日後に通夜をすることになった。
慌ただしい通夜を終え、実家の祖母の部屋の整理をした。
祖母の部屋はやけに静かに感じた。
痴呆が入ったため、自分のものを片っ端から捨てたらしく、生活感を感じない部屋だった。
大学に戻って、事務に再度連絡を入れて、教授にテストを受けられなかった旨をメールで伝えた。
「規則なので良い評価をあげることはできませんが、1000字程度のレポートを提出して下さい。レポートを出してくれれば単位はだします。テーマは授業に関係あることならなんでもいいです。ご冥福をお祈りします。」
とメールが返ってきた。
卒業式当日、卒業証書を受け取っている僕がいた。
最期におばあちゃんが僕を助けてくれたから卒業できた。
最期の最期まで僕を思って生きていてくれたのかな??
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