【映画】『窓ぎわのトットちゃん』について感想 ※ネタバレ含まず

シンプルに「アニメ映画」として秀逸です。(原作は未読です。)
どの映画を見ようか迷ってるけど、どれも新味を予期できない人にはおすすめと思います。

原作としてのメッセージは大きく上げるなら①「はみ出しものへの寛容」だったり「子供の無垢さ」と、②「戦争の不要さ」、と思うのですが、
そのあたりの"きな臭さ"が苦手な人にも楽しめる作品かと思います。
原作に抱えるイメージと映画は切り離しても良いのかと思います。

というのも、近作の鑑賞中の態度としてありがちな、
・鑑賞中に深く伏線や行間を読んだり
・シリアスな空気感
とは無縁で気楽に鑑賞できました。
(意図的に主人公の日常譚として、それを排除されてるのだと感じます)

「かなりデフォルメされた人物たちの喜怒哀楽」「1場面・1部屋の細かな書き込み」「色彩豊かな世界」「空想・夢のシーン」などはアニメの"表現"としてとても秀逸な"表現"に思いました。

また、明らかに聞き取りやすい登場人物の会話や、しっかり収録された物音についても、映画としての"表現"を感じます。

そんな強い「絵」と「音声」と、メッセージ性を保持しながらも押しつけがましくない脚本が世界観と共鳴するわけで、「名作のアニメ映画化」というよりも、シンプルな「アニメ映画としての表現力」にとても感嘆しました。

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