地域密着

Jリーグクラブが北から南まで、昔と比べて増えるごとに「地域密着」の色は濃くなってる気がする。

少し前なら、地元にチームがないから近隣のチームを応援するとか、何か関わりがある町のチームを応援する人も一定数いたし、もちろん今でも遠方から応援する人というのは存在する。

ただ、割合的にJクラブの増加に比例して「地元チームを応援するのが自然」というようななんとなくの雰囲気は大きくなったと感じる。


応援するチームの地元で生まれ育って、そのチームが普段の生活に身近にある。

特にサッカーをしてる子にとっては、地元のJクラブというのは、身近でありながら憧れの存在でもあると思う。

そうやって地域の中でJリーグやそのクラブと育った子がJリーガーになったり、それ以外でもサッカーと関わる大人になるという素晴らしい連鎖も続いていく。


私が湘南地域で出会う人たちが、何か逆境にあっても「絶対負けないよ」とファイティングポーズを取り続けるのを見ると、あぁベルマーレを見て育つと、あきらめずに前を見据えて頑張れる人に育つのかな、ベルマーレとよく似てるな、なんて思ってしまう。

実際にはベルマーレからの影響ではなく、親やきょうだい、サッカー仲間からの影響かもしれないけど、サッカーをしてきた湘南っ子の多くには、私がベルマーレを好きになった要素が心に育ってるような気がする。

あくまでも私が見てきた人が、かもしれないんだけど(^_^;)


地域密着、素晴らしいと思う。

勝ち負けだけでなく、地域の中でそのクラブが存在する意義がしっかりあるのは大切なこと。


でも、ともすれば私みたいな遠方サポーターは、地域密着というJリーグが目指す道から外れてるんじゃないか?と、大人になるにつれて、ふと思うこともあった。


だけど、私はサッカーがあって、Jリーグがあって、ベルマーレがあったから、湘南地域というもう一つのふるさとと出会えて、湘南地域に密着してる。

私の地元の人たちが「神奈川に行くんだけど…」ということになれば(コロナ禍になってからはそういうこともめったにないけど)、ガイドブックより生きた声が聞けるからと頼ってもらえる。

私が湘南地域にいる時に、湘南地域のベルサポさんから「今度〇〇(私の地元)に行くんだよ。例えば△△町辺りでオススメの観光地ある?」と聞かれたりして、地元のことを伝える時もある。


Jリーグが想定してた地域密着の概念とは違うかもしれない。

だけど私は、湘南に密着することで、地元と湘南のささやかな小さい架け橋になったりとか、お互いの良さを伝える役割ができてるのかもしれない。

それも私ならではの“地域密着”だ。

そう思ったら、なんか元気が出てきた。


試合やイベント関係のボランティアとか、馬入(練習場)が冠水してしまった時の泥をかき出すボランティアとか、本当はもっと直接的にチームを手助けできるような存在になれたらと思うし、そうできてない自分を本当に申し訳なくも思う。

それでも、私は私にできることを探して、ほんの少しでもベルマーレの、湘南地域の役に立てることがあれば、自分から積極的にやっていきたいと思う。


それが、生まれた場所ではなくても、長く通うことでその地域の愛をたくさん受けて育ってきた、大切なふるさとへのささやかでも心がこもった恩返しになると信じて。


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