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#2 猿に聞いたほうがいいかもです

映画史に残るSFの傑作、猿の惑星。久しぶりにオリジナルのシリーズを見直してみたいと思い、最近契約したPrime Videoを利用しソファに寝ころびながら鑑賞をはじめた。

オリジナルの映像作品としては、1968年に公開された第1作の「猿の惑星/Planet of the apes」があまりに有名だ。そのヒットから製作者たちが気をよくしたのか続編が次々と作られ、1973年公開の「最後の猿の惑星」まで、わずか5年のうちに5つの作品が誕生した。

CG全盛の現代の映画を見慣れた目にとって、昔の映像はチープというか、大味に映る。けれど、当時話題になった特殊メイクや大掛かりなスタジオセットなどは「人間の手でここまで頑張って作り上げました」という感じが伝わってきて、ちょっと嬉しくなる。

しかしそうした映画的な楽しさとは別に、これらの作品には、時代をこえて僕たちに訴えかけてくるメッセージが込められている。第1作のエンディングでは、チャールトン・ヘストン演じる主人公のテイラーが長い宇宙飛行の果てにたどり着いた猿の惑星で、海岸の砂に胸まで埋もれた自由の女神を見つけて叫ぶ。「誰が滅ぼしたんだ!なんてことをしたんだ!」と。人類が止めることのできなかった戦争の先にあったのは、破壊され尽くした地球だった……という衝撃的な結末である。

2作目の「続・猿の惑星」は、さらに風刺的な作品に仕上がっていて、人類に対する警鐘とも取れるシーンやセリフが、至るところに散りばめられている。たとえば、核戦争によって破壊された地球にかろうじて生き残りミュータント化した人類が、それ1発で地球を吹き飛ばす威力をもったコバルト爆弾に向かって祈りを捧げるシーン。彼らのひとりが口を開く。「爆弾は、平和のための聖なる武器だ」と。

物語は一見、猿対人類の戦いのように描かれているけれど、現実と照らし合わせて眺めててみると、これがただのフィクションでないことに気づく。これらの映画が作られた当時、ベトナムは戦火に包まれていたし、世界は常に核戦争の脅威にさらされていたのだ。その後も世界各地で戦争や紛争やテロが起き、多くの命が奪われてきた。

シリーズの中で「猿は猿を殺さない」という猿社会の掟がたびたぴ語られる。対して人間はどうか……その答えの行き着くところが映画の結末と違うシーンであるようにと、眠たい頭で考えていた。


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