【特急湘南26号 Vol.10】あの頃のような"席替え"はいまでもあるのだろうか
いつものように、午前8時11分藤沢駅発の特急湘南26号に乗って、渋谷へと向かう。僕の居場所は相変わらず3号車8番のA席。車内のいつメンたちとともに過ごしているのだが、知らないヒトたちなので今のところ交流は一切ない。
弁当を朝からがっついている初老女性は怖い
反対側の座席には手作りの弁当を食べている初老の女性がいた。普段その席には新聞を横に置いてパソコンに向かってなにやら作業しているおじさんが座っているのだが、今日は違うみたいだ。よく見ると先頭のほうにいつも座っているガタイのいいおじさんも後方に座っている。どうやら僕の気づかないうちに席替えが行われたようだ。
最後の席替えは高校の頃だったかもしれない
席替えという概念をすっかり忘れていた。最後の席替えはおそらく高校の頃だったのかもしれない。職場での席替えもあったのだが、それはあくまでも部署異動。その後リモートワークも推進され、職場はフリーアドレスになったので”固定席”というもの自体が消滅した。「席替えをしますよ!」という号令とともに席替えを実施したのはおそらく高校が最後だったと思う。しかし、自分が気づかなかっただけでひょっとするとこの車両内でも定期的に席替えが行われていた可能性が高い。そう推察した。
そもそも席替えとは一体なんだったのだろうか。気になったのでChatGPTに聞いてみた。最近は気になったことすべてChatGPTに聞くことにしている。平均70点くらいの回答をくれるのでそこそこ頼りにしているのだ。回答はこうだった。
たしかに僕は少し不安になった。そして、朝から弁当をガツガツ食べている初老の女性を見て少しだけ緊張感が走った。ガツガツしている初老はなんだか怖い。列車内で食べるのであれば握り飯を一口くらいにとどまっていて欲しい。
ダイナミクスの改善とはいったい何だろうか。ふたたびChatGPTに聞いてみた。
この場合は社会科学に当てはまるだろう。
「雪光のタッチダウン」と「小暮のスリーポイント」
ようするに席替えによって、この車両内のフォーメーションが変化し、それが何らかの形で良い結果をもたらしているのかもしれない。アメフトで考えるとわかりやすいのだが、フォーメーションを変えることはとてつもなく大事である。変えることによって「雪光のタッチダウン」のような劇的なシーンが生まれる。せっかくなのでバスケでも考えてみよう。バスケは出場メンバーが5名しかいないが、スタメンを入れ替えること(席替え)によって「小暮のスリーポイント」のような感動を得られるかもしれない。
ここでハッとさせられた。説明するまでもないが「雪光のタッチダウン」は「小暮のスリーポイント」とほぼ同義語である。自分は特急湘南26号で過ごす時間に対して深層心理ではある種の感動を求めているのかも。だとすると車両内での席替えは大正解だ。
そんなことをずっと考えていたら、渋谷に着いてしまった。今日は『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』をプレイするためにわざわざNintendo Switchを持参していたのに。
こうして僕は明日も知らないヒトたちと一緒に渋谷を目指し、夜になると藤沢に帰るのだ。