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YouTubeに疑似記憶をかまされた話

昨年の8月末に2泊3日で石垣島へ行きました。
石垣では、サバニシュノーケルや石垣焼体験をしたりして楽しみました。

そんな思い出もコロナの影響で殆ど忘れかけていた頃
石垣焼き体験で自分たちで作った石垣焼きが届きました。
(仕上がりは9~10ヶ月後になると言われて気が遠くなったっけ。笑)

あの頃は自由に旅行もできたし、
マスクなんかつけなくてよかったし、
ホテルもイイところだったなー。

なんて妻と話していたらちょっと話がかみ合わない部分が、
「あれ?このホテルの記憶、俺の記憶?」
妙な違和感に気がついた。

遅れてきた中二病ですね。ほんとうに残念です。

実はこの旅行、ありがたいことに仕事で溜まったマイルを利用したので、
航空券代が浮きました。

この浮いた分を利用して、
ちょっといいホテルに泊まろうかと妻と計画していたのです。

じゃらんやるるぶを見てもあまり良くわからないので、
リサーチにはYoutubeを使いました。

実際に見た映像がこちら

はい、この映像が実際の石垣旅行の一部となってしまっていました。
YouTubeに記憶ハックされてしまったという状態です。
攻殻機動隊っぽい。

Youtubeの記憶が、実際の記憶と混ざり合って、
体験記憶と疑似体験記憶が混ざっちゃった感じです。

こんな事はこれまで体験したことがなかったので、ちょっとワクワクしながら理由を考えみたところ、以下の3つが原因かなーと思います。

(結局ホテルはリゾート感はあまりない安めのホテルにしました。)

1,情報は残るがソースは忘れる

最近たまたまThink Clearlyという本を読んでいたんですが、そこに”スリーパー効果”というものが紹介されていました。

第二次大戦中の1940年代、米戦争省(US Department of War)が、「戦争プロパガンダ映画が実際に機能しているのか?」を調べるため、映画を見た兵士の態度にどのような影響を与えているのか?を実験したそうです。

映画を見た直後の兵士たちは
「はいはい、プロパガンダ プロパガンダ」というスタンスで影響はあまりなかったそうですが、9週間後の調査では肯定的な態度を示すようになっていたとのこと。

スリーパー効果
信頼性が低い情報源から得られた情報であっても、時間の経過とともに信頼性の低さがもたらすマイナスの効果が消え、コミュニケーション効果(意見変容、態度変容など)が時間の経過とともに大きくなる現象をいう。情報源の信頼性の忘却のほうが、情報内容の忘却より速いためにこのような現象が起きる。仮眠効果、居眠り効果などと訳されることもある。情報源の信頼性が眠ってしまうという意味でこの名が付けられた。
weblio辞書より

要は情報ソースを忘れて、情報だけが自分のものとして残ってしまうっていうメカニズムみたいです。恐ろしい。

ネトウヨ、ヘイトスピーチ、フェイクニュースにも
このスリーパー効果は大きな関係がありそうですね。

2,既知の場所だった

私は離島活性化のサポートをするお仕事をさせていただいているので、石垣島にもよく行きます。

これは今回の件においては大きな影響をもたらしたのではないかと思います。

記憶ハックされたホテルは宿泊したことはないまでも、会議室を借りたこともあれば、前の道もよく通ります。

動画を見ながらも自分の記憶を結びつけ、より具体的に行動のイメージをしていたことによって、脳が本物の記憶と錯覚してしまったのかもしれません。

3,主観ビュー

上記1,2に加えて、映像がほとんど主観ビューであることも本物の記憶と錯覚した原因かと思います。

記憶プロセス(インプット時)
主観ビュー映像(Youtube) → 脳 → 映像記憶として保存。

引き出しプロセス(アウトプット時)
映像記憶(主観ビュー) → 脳(おや、主観ビューですね。) → 私の記憶ですね。

うまく言葉にできませんが、こんな感じで脳が誤認識したんだと思います。

疑似体験の可能性

新型コロナの影響で、いろいろなものがオンラインで出来るようになりました。

最近ではお仕事をご一緒する先輩たちが
オンラインネイチャーツアーなんかをやったりしています。

疑似体験で作られた既視感と
実際の場でしか味わえない本物感とが重なって、
より感動に繋げるという技も作れそうですね。


子供の頃に漫画で見ていた未来が、どんどん身近なものになって来ていてワクワクします。
今後のテクノロジーの発達に合わせて、人間の価値観や生活がどうやって変わっていくのか楽しみです。



最後まで読んでくれてありがとうございます! これからも沖縄・地域活性化・読んだ本からの気づいたことをぽつぽつと載せていきまーす