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SINIC理論研究はじめます、本気で。

私がSINIC理論に興味を持ったのはかれこれ4年ほど前だったと思います。当時、組織論を学びに東京まで(今はなき)自然経営研究会に参加していた流れで、武井浩三さんと中間 真一さんのオンラインの勉強会に紛れ込み、オムロンの創業者、立石一馬氏が50年前に記された未来予想に初めて触れました。それまで様々な学びを得てきた中で、私は願望も込めてきっとこの世界は成熟に向かい、輝かしい未来が訪れると信じており、SINIC理論に人類が進むべき道が的確に示されていると直感的に感じました。そして、未来を予測して先手を打って事業を展開してきたオムロン社の凄さというか、立石一真氏の偉大さに神のような畏れさえ感じたのを覚えています。

最適化社会進行中

それから時が経ち、昨年くらいからまたSINIC理論がよく話題に上るようになりました。昨年の9月にオムロン社のシンクタンクである株式会社ヒューマンルネッサンス研究所の中間真一さんが書籍に著したのが発売されたのも大きなきっかけだと思います。私もたまたま書店を通りかかった際に平積みで発売されているのを見かけて即買いしました。
未来予測の書が人気を博すのは、大きな時代の転換期に入ったことと深い関わりがあると思います。情報化社会から最適化社会への移行が予測通りに進まないと思われていたのが、新型コロナによるパンデミックに世界が席巻されたお陰で?一気に時間と場所に縛られずコミュニケーションが取れるオンラインのシステムが世界中に普及しました。IoT(Internet of Things)や人工知能による第4次産業革命の到来は、もはやインターネットが生み出した情報化社会のレイヤーを突き破り、人類は完全に新しい営みを始めています。特に、GTP-4の公開は誰もが明晰な頭脳と高いスキルを手にした革命で、本当に人の働き方、価値観が大きく変わるフェーズに入ったことを示しました。

本物の時代の予兆

平成の終わりに、令和はVUCA(不安定、不透明、複雑、曖昧)な世界になると多くの識者が予言され、統計学でもある西洋占星術でも地の時代から風の時代に変わると時代の大転換期だと示されました。私はそのどちらを信用した訳ではありませんでしたが、ちょうど令和に元号が変わる創立20周年を期に、今までの工務店業をスタッフと一緒に見直し、20年間親しんで来た社名まで捨てて事業ドメインの変革に取り組みました。それはなんの裏付けもエビデンスもありませんでしたが、これからはこれまでの延長線上には無い。と直感的に感じていたから。あと、情報化社会が極まるのは本質の時代、本物の時代の到来だと考えて、事業所の存在意義を改めてスタッフと考え直すべきだと考えたからです。私が独断で決めた憲法(ミッションステートメント)を押し付けてのマネジメントではなく、スタッフそれぞれがやりたい仕事を自分の良心に従って行える環境を創ることが、企業としての存在意義の一丁目一番地になると考えたのでした。

羅針盤を手に入れる

結果的に、令和はとんでもないVUCA化がまるで津波が押し寄せるが如く始まり、それが今も加速しながら続いています。コロナ禍に始まり、日本の最大派閥の領袖の暗殺、コストアップインフレ、円安、隣国ロシアでの戦争勃発、イスラエルとハマスをはじめとしたイスラム勢力とのテロの応酬、来年は石油資源の調達も出来なくなるかも知れませんし、円安の影響で更なる物価高に喘ぐ可能性があります。先行き不透明どころの騒ぎでは無くなったというのが正直な印象で、住宅産業は数十年ぶりの着工棟数減を更新し続けています。
私だけでなく、きっと多くの経営者がこの先のビジョンをどのように立てればいいのか?と思い悩んでいることと思います。考えてわかるものではありませんが、出来ることなら未来に進むべき道を示した羅針盤を手に入れたいもの。ここはやっぱり、SINIC理論をしっかりと紐解く必要があると思うのです。占星術や統計学ではなく、社会とテクノロジー、モノと心、個人と集団のそれぞれが複雑に絡み合い、刺激しながら発展成長を続けていく、50年前に行われたそのリアルな予測は、多くのヒントを私たちに与えてくれると思うのです。

株式会社四方継 知的資産報告書2022より

奇跡は起こらない。起こすもの

改めてSINIC理論を深く読み解こうとしていたタイミングでちょっとした奇跡が起きました。私が世話人として参画している経営実践研究会のアドバイザーにオムロン社の創業者、立石一真氏のお孫さんである立石郁雄氏がまさかのタイミングで就任されたのです。同研究会が主催する会合やフォーラムでも幾度かご一緒させて頂き、ご挨拶だけに止まらず、私たちが発行している株式会社四方継の知的資産経営報告書にSINIC理論の図を無断で掲載させてもらっている旨を直接謝罪をする機会にも恵まれました。そして、この度、その研究会でSINIC理論の研究委員会が立ち上がることになり、立石郁雄氏がアドバイザーとして参画頂くという、有り得ないような幸運が目の前に転がってきました。当然、委員会メンバーとして参加させて頂きますし、今後は、最適化社会の深化、自律社会への移行のインサイトを炙り出し、実業に転嫁、実践に繋げるアウトプットを行なっていきます。また、ここでもその内容を綴っておきたいと思います。ひょっとすると、VUCAの出口を見つけることが出来るかも知れないと、久しぶりに期待に胸を膨らましています。経営実践研究会に出会い、即断で参画したことが私の身の上の奇跡を起こしたのだと改めて。ご縁と出会いに感謝します。

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第5期未来創造企業認定を受けています。

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