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事業承継は想いの共有と覚悟から DXO#day00

これから13ヶ月、13回に渡り事業承継についての取り組みを組織変容のオープンソースのテキストDXOを使って行います。そのプロセスを綴るマガジンを立ち上げてました。

暗黙知を形式知に

私が代表を務めている株式会社四方継では現在、5年後の私の退社に伴う事業承継の取り組みを進めています。毎月1回、リーダーシップチームとのmtgを重ねて、私が経営者として持っている暗黙知を誰もが使える形式知へと変換し、全ての役割と共に分割してメンバーに受け継いでもらうチャレンジです。今回を入れてあと56ヵ月で全ての役割と権限、そして株式を(現在)5名のチームに承継していくプロセスをここにも書き残しておきます。
そもそも社内に存在する知的資産と言われる暗黙知を見える化する試みは知的資産経営報告書の作成で行っており、コンテンツ自体は伝える準備をしています。しかし、組織の承継と言うのはコンテンツではなく「場づくり」であり、何を引き継ぐかと同時にどのように引き継ぐかも同じくらい重要です。
3年前に行ったリブランディングの際にも、組織変容のための社内ワークショップやミーティングを延々と1年間かけて繰り返しました。その際に私が感じたのは、目的と明らかにしていくコンテンツは伝えていましたが、プロセスとスケジュールの全体像を伝えきれていなかったと言う反省です。今回、その反省の上に立って、事業承継のプロセスを最初から提示しておく必要があると考えていました。そんな時に出会ったのが「手放す経営ラボ」でオープンソースとして公開されてあるDXOです。以前に私が行った組織改革のプロセスとほぼ同じ内容を非常に分かりやすくまとめられており、利用させてもらう事にしました。プロセスの見える化がこんなに簡単に出来るとは!と驚きつつとても喜んでいます。

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DXO#day00

今回のmtgではDXOのテキストに沿ってワークショップを進めて行くことを冒頭に説明して、まず前提条件の確認をしました。改めてのスタートとなった#00回目は今後の1年間に渡るプロセスを共有しつつ、これから進めていく方向性と目的についての合意、そして事業承継に伴う組織変容の取り組みを通じて解決していくべき課題を皆で出し合い共有しました。3年前のリブランディング後に進めて来た自立分散型の組織作りを今後本格化するのと同時に私がほぼ一人で担ってきた全体を包括した「経営」「マーケティング」「ブランディング」についても権限と役割と能力の移転を出来る、受け皿として成り立つ様に事業所の唯一無二のリソースである「人」の才能の開花と成長を目指す旨の説明をしました。
まず、改めて自社の強み、顧客やマーケットに選ばれる理由をメンバーに問い直しました。現在、熱心に取り組んでいるプロダクト刷新の取り組みで性能とデザインと価格のバランスを整えるとか、自社大工による積極的でマメなアフターフォローとか独自のサービスとして開発してきたものはこれまで多々ありますが、結局それらは時間と共に陳腐化し、埋没するし、情報革命が起こった今、そのスピードは益々加速しています。結局、私達が持つリソースとは「人」と「関係性」に集約されるし、その部分を磨き、最大限のパフォーマンスを発揮するためにトップダウン式のヒエラルキー型からフラットな自立分散型の組織構造に変革するのはこれからの時代を生き残るのに不可欠な変容だと改めて意図の共有をしました。

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目的と方向性と具体性

どの様な事業やプロジェクトであってもまず一番初めに整理しておくべきは何の為に?との問いの答えである目的です。また、目的はそれに沿った行動を明確にしなければ絵に描いたよう餅の様にぼんやりしたものになりがちで、私はWhyの問いと同時に、何を(what)を考える必要があると思っています。変容、改革は常に課題を抱える現状を理想に近づける行為であり、まずそこに存在する課題を詳らかにすることで何の為に?との問いもリアリティが見えてきます。今回もメンバーに社内の課題を付箋に書き出してもらい、マッピングして多くの票が集まった部分について話し合いました。そこで多く出されたのは、先がぼんやりしている、漠然としていてイメージがつかないとの意見でした。先行き不透明で複雑なVUCAの時代、誰もが同じような不安を抱えていると思います。ただ、不安は課題ではなく、不安の理由を細分化して課題として抽出すれば、対策も見えてきます。そもそも将来になんの不安もなければ、5年も前から事業承継の準備をすることはないし、事業計画自体も必要ありません。不安があることが全ての前提条件なのだと説明するとともに、今一度、明確に目指す目的と方向性、具体的なプロセスを共有しました。もちろん、このプロジェクトの目的は四方良しを叶える私たちの事業を顧客との約束を守れるように持続継続可能なビジネスモデルとして確立すること、次の世代、その次の世代へと事業を引き継げる状態を整えることです。

覚悟を決めることがスタート

今後、リーダーシップチームを中心に指示命令系統も管理もない、自分達それぞれがやりたいこと、いいと思う事を考え、計画して実行する。その個々の取り組みを進めながら皆が良くなる、四方良しになるような全体最適を考え続ける組織に変容させるにあたって、メンバー全員にコミットメントを求めました。やや厳しい目の口調で、「自分で考える、計画を立てる、実行する、全体最適に貢献する」この4つさえ覚悟を持って向き合うことが出来れば、持続可能な自立循環型組織の生成は可能だと思っています。
今だけ、金だけ、自分だけの価値観から完全に抜け出したメンバーで組織運営を行えば、きっと多くの人から支持を受けるようになるし、市場にも地域にも存在感を示すことができるはずです。

目的と課題の共有と場づくりから

メンバーの一人から出された最も大きな問題は、考え方や趣味嗜好が違う事が認識も共有もされていないという、mtgの場に対する心理的安全性の欠落でした。それができていない以上、会議を重ねても意味がない。と厳しい言葉が飛び出し、それぞれ違うメンバーの考え方を本音レベルで知り合うのをまず行うべきではないのか?との提言が出されました。それはそのままDXOのプロセスにも書かれてあり、本格的なスタートとなる次回#day01にまず行うのは「お互いを知る」となっており、新しく組織を生成、もしくは変容させる時に誰もが感じたり、ぼんやりと考えている課題や問題をきっちりと網羅して進めることができるテキストになっているのだと説明したところ、なるほど、と得心したようでした。今回、改めて目的と課題を共有し、前向きに取り組んでいくコミットメントを全員と確認できたことで、いよいよ来月からDXOを使った組織変容の取り組みを本格的にスタートを切る体制が整ってきました。事業承継まであと56ヶ月、確実に進めて最高の結果に辿り着きたいと思います。

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一人ひとりの才能を発揮する、タレンティズムに立脚した研修を行っています。

持続継続的な地域と共生できる事業を目指しています。


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