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俺たちのSDGs

毎月第一、第三月曜日は11時から12時まで設計メンバーとの定期ミーティング。丁度お昼時ということで、和気藹々とコミュニケーションを取ってもらいたいとの想いで今年に入ってから私がカレーを作ることにしました。料理は殆どしない私でしたが、早朝から仕込みをしてオリジナルスパイスカレーを作るのはやってみるとなかなか面白いもので、スタッフに評価を訊きながら改善を積み重ねています。夏の間はテラスでのBBQの〆にもカレーを作っていたこともあり、結構な回数を作り最近はちょっとした趣味のようになっています。(無理矢理感もありますが、)私の手作りカレーを皆さん美味しいと言ってくれるので、月曜日に来社される客人にはわざわざ昼時に時間を合わせてもらって、カレーを振る舞うようにしています。今日も、取引先の商社の支店長と担当者さんがやってきて、ランチがてらの打ち合わせを行いました。

あなたもこれでSDGs、ステハジプロジェクト

カレーのことはさておき、彼らが来社された要件は今月末に行うNPO団体での研修会のテーマでもあるSDGsについての提案でした。この20年間、あまり芳しくないと言われ続けてきた関西建築業界において、大阪、神戸、姫路を拠点に大きく業績を伸ばしてきたスーパー商社D社はまさに「機を見るに敏」との表現がぴったりくる、非常に変化への対応が素早く、いつも時代の流れを見てこの商品を紹介するとクライアントの業績アップに貢献できて喜ばれる、そして自分たちも儲かると、フットワーク軽く流行りの商品、もしくはこれからニーズがあるだろうと予測される商品をタイムリーに売り込みに来られます。
今日は、D社も賛助会員に名を連ねられているNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の秋の更新研修会のテーマSDGsに沿った商品を案内に来られました。今回は「ステハジ(“使い捨ては、恥ずかしい”)」とのコンセプトで「さぁ、みんなで サステナブル ハジメヨウ」という言葉と掛けて使い捨てのペットボトルの使用をやめて、マイボトルを持ち歩こうと、浄水器メーカーの大手、株式会社OSGコーポレーションが水素水生成機の販売拡大も視野に入れた活動で、要するに、家庭で水素水を生成してマイボトルで持ち歩くことで、プラごみを減らして循環型社会へのシフトに寄与しようという取り組みです。この商品を導入することで、御社もSDGsに取り組んでいると胸を張れますよ、と、なかなか具体的に環境への取り組みができない建築業者に助け舟を出してくれたようでした。
ステハジプロジェクトの内容はこちら、

自立(自律)循環型社会へのシフトの胎動

実は、最近の私は浄水器くらいは通していますが、水道水をそのままゴクゴク飲むことにしています。少し前まではオサレぶって朝はお白湯を飲むようにしていたのですが、腸内環境を考えると、ある程度の雑菌も摂取した方が自然免疫力は高くなるとの説を聞いて、なるほどと得心してペットボトルの水はあまり飲まないようになりました。考えたら、ただ同然の水道水が安心して飲めるなんて世界中見渡しても類を見ないわけで、賛否両論あるかと思いますが、水道水を飲んで日本に暮らす幸せを噛み締めるようにしています。(笑)
水素水の生成器を採用してコワーキングスペースとしても開放している事業所をマイボトルを持っている人に水を提供する給水ポイントにするか否かはさておき、いい機会なのでSDGsについての私の考えを以下にまとめておきたいと思います。2015年にSDGsが国連で採択され、日本でも大きな話題になりました。その際に私はSDGsが掲げる「持続可能な循環型社会にするための17の目標」に触れて、正直言って、殆ど私たちが取り組んでみた事ばかりだと感じました。今更、小っ恥ずかしくて真面目な顔で宣言なんかできるかよ、と。
しかし、それから世の中は大きく変化して、近年、本格的な社会変革の胎動を感じるようになってきました。強欲資本主義が行き詰まりを見せて、グレートリセットを経て共感資本社会へと移行するのが肌で感じられるようになったのです。そんな時代の変化を受けて、今一度、事実として循環型社会を目指して自分たちがやってきたこと、これから目指す具体的な目標について明らかにしておいた方が良いと思ったのです。

俺たちのSDGs宣言!

以下は私が以前(令和元年)にまとめていたSDGs の17の目標に対して実業で取り組んできた内容で、今回改めて今後の取り組みについて具体的な目標を加筆してみました。私たちは神戸の片田舎の小さなローカルビジネスの事業所ではありますが、自立循環型社会というのはそもそも、中央集権的なグローバル社会で世界を一括りにするのではなく、分散、細分化したローカルがそれぞれ自立(自律)して、その集合体としての世界であるはずで、その意味では私たち、ローカルビジネスに取り組む事業者程、SDGsへの親和性が高いと思っています。ここに俺たちのSDGsを改めて宣言します。

SDGsに対する私達の取り組み。
1: あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
私達の立場での貧困をなくす取り組みは、職人の社会的地位を上げる事です。他業種に比べて保証が十分でない、将来のキャリアアップが見え難い職人の働き方を見直し、正規雇用と教育システムをセットにして次世代を担う若手職人が育つ環境作りに努めています。
→2026年に職人による職人のための持続可能な事業の運営体制を構築しリーダーシップチームに事業承継します。

2: 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
流石に日本では飢餓に対する問題意識は薄いですが、安心安全な食料を確保できる様に地元の農家さんとタイアップして農業に取り組み、ご縁があった方にも収穫祭にお誘いして自家農園、自家栽培をするきっかけを提供しています。
→2026年までに地元農家さんが作る安全で安心に食せる野菜を1万人のつない堂コミュニティーユーザーに流通させる仕組みを構築します。

3: あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
バリアフリー住宅、温熱環境の優れた空間の設計、施工を行う事、あるいは電磁波対策や化学物質対策なども行って住まい手の健康に寄与しています。
→新築の長期優良住宅の標準化だけではなく、長期優良化リフォームも広く提案し、2026年には一定規模のリフォーム、リノベーションの全現場で性能向上の工事を行う体制を作ります。

4: すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
社内研修を継続的に開催、社外にも私塾を主催して広く地域の事業者に学ぶ機会を提供している。また、建築実務者向けには一般社団法人の研修事業を立ち上げ、研修と毎年のフォローアップで生涯学習の場を提供している。
→2030年に1000人の主体的に事業に関わる職人を輩出します。

5: ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
建築設計において女性目線を大切にしており、設計部のメンバーは全員女性で業務を行なっており、まさに女性が活躍する事業所となっている。
→2026年までに執行役員に複数の女性が就任し、リーダーシップチームの大工と力を合わせて事業を行う体制を整えます。

6: すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
家庭菜園など外部でふんだんに水を使う場合には雨水タンクの設置を推奨し、雨水利用の促進を心がけている。
→2022年には新築工事の雨水利用設備の設置を標準仕様として提案する。

7: すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
住宅の屋根に太陽光発電の搭載を推奨、また住宅の断熱性能を高めて消費エネルギーを抑え、オフグリッドな暮らしを可能にする提案をしている。
→2021年、専用住宅では太陽光発電搭載率100%を達成、2026年までに蓄電池の採用を推し進めオフグリット住宅を供給する。

8: 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

スタッフと顧客の信頼関係構築を元にストック型ビジネスモデルを作り上げてきており、顧客からの評価、感謝される仕事が自社の未来に直結している事を認識してもらっている。
→信頼関係に結ばれた取引を持続、継続出来るスキームとして、つない堂でのコミュニティー事業で2026年までに一万人の会員登録を目指す。

9: 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
自社職人の育成を続ける事により、地域の顧客の住宅のメンテナンスを引き受け、地域のインフラを守り、支える企業として認められる事でストック型ビジネスモデルの構築を図っている。
→つない堂会員へのメンテナンス巡回の強化で2026年に一万人の会員の住宅インフラを支える存在になる。

11: 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
自社職人の育成を続ける事により、地震や台風などの天災への迅速な対応を可能にしており、地域の安全、安心な暮らしを支えている。
→会員の増加に準じて大工の採用、育成を進めることで家守りの立場を全うする。

12: 持続可能な生産消費形態を確保する
建築工事を担うのは現場の職人であり、創業以来職人育成に取り組んでいる。また協力業者、同業者に対してそのサポートを行う事によって業界全体としての持続性を担保している。
→2026年までに一般社団法人職人起業塾への参画企業を500社に増加させる。

13: 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
建物の構造計算を行い、震災、天災に耐えられる強度を持った建物を建てている。また、酷暑にも少ないエネルギーで過ごせる高性能な家づくりを守っている。
→2026年までに新築以外のリフォーム案件でも建物性能の数値化、改善提案を全てのリノベーション現場で行うようにする。

15: 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
地元産の木材、また、国内の木材活用を促進する事によって、循環型社会への移行に寄与している。
→2026年までに全案件での地元産木材活用と、使用した木材量に応じた山への植林活動を事業に組み入れる。

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自立循環型社会を支えるのは多くの人の才能を開花させ、活躍の場を広げるタレンティズムです。自立した現場実務者を育成する研修を行っています。

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